当教室は、旧京都大学胸部疾患研究所附属病院において、感染症科、呼吸器内科、理学呼吸器科の三科に分かれていたものが、平成13年統合され、発足いたしました。
下記にあげますような、幅広い呼吸器疾患の臨床及び研究に日夜励んでおります。

  • 呼吸不全・睡眠呼吸障害

    • 現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において、2008年11月より2012年2月までに睡眠時ポリソムノグラフィ検査を行い、同時期に脂肪肝や内臓脂肪の測定目的で腹部CTを受けた患者さんを対象として、睡眠時無呼吸症候群と腹部大動脈径の関連について検討する目的で、診療録(カルテ)とCT画像の調査を行っています。

      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っており、結果は学会や学術誌に報告する予定です。データは匿名化し個人を特定できる情報の流出がないよう、個人情報には細心の注意を払いますが、個人のデータ使用を希望されない方がおられましたら、ご連絡を頂ければそのように対応いたします。この研究につきご質問・ご要望等がございましたら、下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

      責任者:京都大学大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学 陳 和夫
      問い合わせ先:立川 良・陳 和夫
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL:075-751-3852
      FAX: 075-751-3854


      詳しくはこちらをご覧下さい。

      呼吸管理睡眠制御学講座での研究調査について

      現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において、2008年10月より2012年7月までに睡眠時無呼吸症候群の診断・治療目的で入院をされ睡眠時ポリソムノグラフィ検査を施行させていただいた症例を対象に、既存資料・既存検体に基づいて睡眠時無呼吸症候群と周期性四肢運動との合併における血液凝固能の亢進との関連について調査を行っています。

      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っています。結果を学会や学術誌に報告する予定ですが、個人情報はいっさい公表されません。

      本調査の内容に関するご質問などございましたら下記までご連絡ください。詳細に内容をご説明いたします。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学 陳 和夫
      問い合わせ先: 村瀬 公彦・陳 和夫
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL: 075-751-3852


      睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸異常をきたし、無呼吸に伴う低酸素により、全身性炎症を誘発したりする疾患ですが、このSASと内臓脂肪型 肥満は、心血管障害の重要な危険因子であり予後に影響すると報告されています。SASと内臓脂肪型肥満の関連自体も報告されていますが、内臓脂肪蓄積に SASを含めその他いかなる因子が関与しているかは明らかになっていません。そのため、これらの因子を解析することは、SAS患者さんの心血管障害のリス クの減少や生活習慣病の改善に向けた治療や対策につながる可能性があると考えております。そこで、呼吸管理睡眠制御学講座では、SASと内臓脂肪の関係を検討する研究を実施することにしました。

      具体的には、京都大学医学部附属病院において、2008年10月から2012年12月末に睡眠ポリグラフィ検査をうけられた患者さんを対象に、カルテ、質問票(アンケート)や問診票を閲覧し、その既存資料に基づき行います。具体的には、内臓脂肪量と年齢、体重、問診内容、睡眠ポリグラフィ検査、肺機能検査 や採血結果などとの関係を検討し何が内臓脂肪量に深くかかわっているかを解析する予定です。

      この調査は、京都大学における医の倫理委員会にて承認されており、カルテや質問票が院外に持ち出されることはありませんし、結果の解析時には患者さんの名前は使用されず、番号にて管理されますので、個人情報は保護されております。また、結果は公表することがありますが、患者さん本人を特定しうる個人情報は 保護されます。ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。もし、本研究へのご協力がいただけない場合やご質問などある場合には、下記までご連絡下されば幸甚です。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座 陳 和夫
      問い合わせ先: 陳 和夫 ・ 原田有香
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL: 075-751-3852


      現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において、3年間以上にわたって睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP療法を継続しておられる症例を対象に既存資料に基づく継続率等の調査を行っています。
      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っています。結果を学会や学術誌に報告する予定ですが、個人情報はいっさい公表されません。御質問などございましたら下記まで御連絡ください。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学 陳 和夫
      問い合わせ先: 陳 和夫 ・ 相原顕作
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL: 075-751-3852


      睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸に伴う低酸素血症による多臓器障害や全身性の炎症反応、メタボリックシンドロームの合併を特徴とし、日本でも数百万人の治療 対象患者さんが存在しています。現在日本人の死因の約1/3を心脳血管障害が占めていますが、その背景に存在する病態として睡眠時無呼吸症候群が着目され ています。その一方で、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、夜間頻回の覚醒反応のため、日中眠気による交通事故との関連が世界中で報告され、就業中や運転中 の事故につながる危険な疾患として、社会問題となっています。また同時に、過眠や、倦怠感による抑うつ傾向、労作時の息切れ、QoL(quality of life:生活の質)の低下などが指摘され、社会の作業効率の低下にも直結します。しかし、睡眠時無呼吸症候群において、それらの患者さんの立場にたった 指標の評価意義は確立されていません。そこで、睡眠時無呼吸におけるそれらの指標(眠気、生活の質、呼吸困難感、心理状態、身体活動度)と臨床指標を評価 し、それらの関係を検討する研究を実施することにしました。

      この研究は、平成20年11月から平成22年7月末までに、睡眠ポリグラフ検査をうけられた患者さんを対象に、カルテ、質問票(アンケート)による問診票 を閲覧し、その既存資料に基づいて、実施されます。具体的には、質問票の調査内容、つまり、患者さんの健康状態や生活様式と、睡眠時無呼吸や、呼吸機能や 肥満の障害の程度などとの関係を検討する予定です。カルテや質問票が院外に持ち出されることはありませんし、結果の解析時には患者さんの名前は使用され ず、番号にて管理されますので、個人情報は保護されております。

      本研究は、京都大学における医の倫理委員会にて承認されており、また、本結果は、将来、学会や学術誌に公表することがありますが、患者さん本人を特定しう る個人情報は一切使用されません。貴重な臨床研究でございますので、御理解と御協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。もし、本研究への御協力がい ただけない場合には、下記まで御連絡下されば幸甚です。さらに詳しい情報が必要な場合も、お問い合わせ下さい。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学 小賀 徹
      連絡先: 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL: 075-751-3852


      現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学胸部疾患研究所附属病院呼吸器内科・京都大学医学部附属病院呼吸器内科、および協力施設において、1990年 から2007年に長期NPPVが導入された症例を対象に既存資料に基づく継続率等の調査を行っています。この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て 行っています。結果を学会や学術誌に報告する予定ですが、個人情報はいっさい公表されません。御質問などございましたら下記まで御連絡ください。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学 坪井知正
      連絡先: 住所 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      電話: 075-751-3852


      現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において、2009年4月より2010年4月までに睡眠時無呼吸症候群の診断目的で 検査入院をされた症例を対象に、既存資料に基づいて呼吸機能や血液中の炎症マーカーに関する調査を行っています。

      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っています。結果を学会や学術誌に報告する予定ですが、個人情報はいっさい公表されません。調査に関するご質問や参加辞退のご希望などございましたら下記までご連絡ください。

      責任者: 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学 陳 和夫
      問い合わせ先: 小賀 徹
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL: 075-751-3852


      京都大学医学部附属病院呼吸器内科で睡眠検査を受けられた患者さんへ

      当院では、以下の医学研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られる記録をまとめることによって行います。このような研究は、文部科学省・厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人ずつから直接同意を得る必要はなく、研究内容の情報を公開することが必要とされています。この研究に関する問い合わせなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

      「研究課題名」:閉塞型睡眠時無呼吸と骨粗鬆症との関連性に関する検討
      「主たる研究機関」:京都大学医学部附属病院
      「研究実施責任者」:陳 和夫(呼吸管理睡眠制御学講座、特定教授)
      「研究の目的」: 睡眠時無呼吸症候群と骨密度との関連性を検討する。
      「研究の方法」
      ・対象となる患者さん:2008年11月から2011年7月までの間に京都大学医学部附属病院呼吸器内科で、睡眠検査と腹部CTを受けられた患者さん。
      ・利用するカルテ情報:年齢、性別、既往歴、内服薬、睡眠検査データ、呼吸機能検査、腹部CTデータ、血液ガス、血液検査など。
      「個人情報の取り扱い」
      成果の公表に関しては、個人情報保護法に基づいて対象患者の名前や住所などプライバシーにかかわる事項や個人を特定できるような試験結果は一切公表しません。結果の解析時には、患者様の名前は使用されず、番号、医療機関名にて管理されますので、個人情報は保護されます。

      ※上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解いただけない場合は、以下にご連絡ください。なおその場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。

      「問い合わせ先」
      責任者 京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学講座 陳和夫
      問い合わせ先:陳和夫、濱田哲
      〒606-8397 京都府京都市左京区聖護院川原町54
      電話 075-751-3852 FAX 075-751-3854


      「閉塞型睡眠時無呼吸患者におけるReactive Hyperemia Peripheral Arterial Tonometry (RH-PAT)を用いた血管内皮機能の検討」の実施のお知らせと説明

      現在、呼吸管理睡眠制御学講座では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において、2009年9月~2013年6月までに実施した臨床研究に参加いただき、入院にて終夜ポリソムノグラフィ検査、血管の硬さを調べる検査を受けた患者さんを対象として、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と血管の硬さとの関連について検討する目的で、測定したデータの調査を行っています。

      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っており、結果は学会や学術誌に報告する予定です。データは匿名化し個人を特定できる情報の流出がないよう、個人情報には細心の注意を払いますが、個人のデータ使用を希望されない方がおられましたら、ご連絡を頂ければそのように対応いたします。なお、その場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。この研究につきご質問・ご要望等がございましたら下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

      責任者:京都大学大学院医学研究科 呼吸管理睡眠制御学 陳 和夫
      問い合わせ先:東 正徳・陳 和夫
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      TEL:075-751-3852
      FAX: 075-751-3854

  • 間質性肺疾患

    • 間質性肺炎、サルコイドーシスの診療によって得られた知見は学会や論文で発表し、これらの病態の重要性を広く啓蒙している。間質性肺炎においては、血液凝 固異常とともに血小板機能にも注目し、循環器内科との共同研究で血小板凝集能と臨床所見との関連についての研究を行っている。

      また、臨床研究にも重点をおき、特発性肺線維症において肺高血圧症の存在や拡散能の低下が生命予後の悪化に関連することを報告した(図1)。

      サルコイドーシスに関しては、これまで2000例近くに及ぶ診療実績を背景に、疾患の収束と進展に関する疫学的、免疫学的研究実績を蓄積してきた。

      サルコイドーシスの病態においては病変局所でのリンパ球の活性化が重要であることが明らかとなっている。当科ではリンパ球の活性化に関与する共刺激分子に注目し、遺伝子多型や気管支肺胞洗浄液の表面マーカーについての研究を行っている。

      また、気道疾患に関して当科で従来行ってきたオリジナルソフトによるCTの画像解析を間質性肺疾患にも応用し、ヒストグラム解析(図2)のパラメーターの臨床的意義、予後との関連について検討を行っているところである。

      これらの臨床、研究活動が評価され、2006年度千葉保之・本間日臣記念賞、2007年度京都府医師会勤務医部会学術奨励賞を受賞した。


      患者さまへ

      〜IgG4関連疾患に関する臨床データの研究利用に関するお願い〜

      私たちは、京都大学呼吸器内科および免疫・膠原病内科およびにおいて2009年から2013年の間に診断された IgG4関連疾患の患者さんの臨床データとFDG-PET検査の情報を収集分析し、この疾患におけるFDG-PET検査や血液マーカーの意義を検討する研究を行っています。
      具体的には、FDG-PET検査のデータを解析し、各臓器の取り込みを数値化し、血液マーカーとの関係や治療による変化を検討します。
      これらの臨床データは通常の診療で行われたもの解析で、患者さんに新たな負担はありません。また、個人を特定できるような状態でデータを使用することはありません。本研究の目的と、臨床データ利用に関するご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。なお、本研究に関するさらなる説明をご希望の方、また、本研究に於いて臨床データの利用を希望されない方は下記問い合わせ窓口にご連絡下さい。

      お問い合わせ先:
      京都大学医学部附属病院
      呼吸器内科 半田知宏 電話:075-751-3830 (代)、FAX 075-751-4643 (代)
      免疫・膠原病内科 吉藤元 電話:075-751-4380 (代)、FAX 075-751-4338 (代)


      気胸症例を対象とした研究調査のお知らせ

      現在呼吸器内科では、京都大学医学部附属病院呼吸器内科において過去に間質性肺炎に気胸を合併して入院加療を受けた症例を対象に、既存資料に基づいて治療効果や生存率等の調査を行っています。

      この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認を得て行っています。結果を学会や学術誌に報告する予定ですが、個人情報はいっさい公表されません。調査に関するご質問や参加辞退のご希望などございましたら下記までご連絡ください。

  • COPD

    • COPD(慢性閉塞生肺疾患)の病態解明を通じて、よりよい医療を提供することを目的に、COPDの発症、初期病変、病態の進行、増悪の機序を解明することを目的としている。特にその病因について炎症の立場から捉え、臨床研究から、動物モデル、培養細胞を用いた研究まで幅広く 行っている。当科では以前より画像診断を用いて、気道炎症病変と肺野の気腫化病変の弁別を提唱しており、分子生物学的手法と画像生理学的手法の統合を目指 している。

      実地医療においては、京都市内で喫煙歴のある人に呼吸機能検査を施行することによって、日常診療中に潜在するCOPD症例の発掘と啓蒙につとめており、実地医家の先生方からの紹介も多数ある。詳細な問診と、気道可逆性や過敏性検査・気道抵抗検査を含む精密呼吸機能検査、CTを中心とした画像解析、質問表を 用いたQOLの評価などを通じて、呼吸器他疾患の鑑別とCOPDの重症度評価を多面的に行い、また同時にCOPD患者に多く存在する併存症に関しては他科 専門医にコンサルトするなど、全身性疾患と捉えられつつあるCOPDの個々の患者の全体像を把握することにより、良質の医療を提供することを心がけている。臨床研究では、臨床データの蓄積と病態と肺機能検査データやCT画像解析との関連、病態に関連する遺伝子多型の解析を行っている。また呼吸器外科との共同 研究として、肺組織バンクを立ち上げ、ヒト肺組織の免疫組織化学やin situ hybridization等による炎症細胞浸潤の同定やサイトカインの発現の定量といった観点から病態生理を解明したいと考えている。動物を用いた研究 では、COPDモデル動物の確立とその解析も行いつつある。また培養細胞を用いた検討では、炎症に関わる遺伝子の発現とその機序について分子生物学的手法 を用いて検討を行っている。また、遺伝子解析に関しては理化学研究所と共同研究を進めるなど、他施設・他領域の研究者との共同研究も積極的に行っている。

      これらの研究について、週に1回程度、COPDグループ研究カンファレンスを行っている。

  • 喘息・慢性咳嗽

    • 喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

      当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

      主要な研究領域

      1. CT画像を用いた気道リモデリングの病態追求:病理学的検討の困難さ故に気道リモデリングの病態には不明の点が多い。我々は、教室で開発したCTによる気道 dimensionの自動解析システムを応用し中枢気道リモデリングの病態生理学的意義、治療などを追求してきた [Niimi et al. Clin Rev Allergy Immunol 2004]:1. 喘息患者では健常者に比し気道壁が厚く、肥厚の程度は重症度、罹病期間、気流閉塞と相関する [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2000] (図3):2. 気道壁厚は12週間の吸入ステロイド治療で部分的に減少するが、罹病期間が長いほど減少は乏しく治療後残存する壁肥厚も大きい [Niimi et al. Am J Med 2004] (図4)。同様の事象は長期(平均4.2年)の吸入ステロイド治療下でも認められ [Matsumoto et al. J Invest Allergol Clin Immunol, 2011]、早期治療介入の重要性が形態学的に示唆される。:3. 安定期患者の気道壁厚がメサコリン気道反応性と逆相関することから、気道壁肥厚がagonistによる平滑筋収縮に防御的に働く可能性がある [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2003]。その他、気道壁肥厚や呼吸機能と喀痰中の液性因子 [Matsumoto et al. Thorax 2005 (図5); Yamaguchi et al. J Invest Allergol Clin Immunol 2008]、TGF-B1遺伝子多型との関連 [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2008] (図6)、喘息における気管支拡張の存在と意義 [Takemura et al. Chest 2004] などについても報告している。最近ではmultidetector CTを用いて研究を発展させている。
      2. 末梢気道病変の臨床的意義と治療への包括的アプローチ:内径2 mm未満の末梢気道の評価は従来の方法では容易ではなく、喘息における末梢気道病変の意義は不明の点が多かった。我々は、高分解能CTの肺野濃度で評価した末梢気道病変の程度が喘息重症度や気道過敏性と相関することを示し、末梢気道が喘息の重要な治療ターゲットであることを明らかにした [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2006]。また簡便で低侵襲的に中枢気道と末梢気道を評価しうる新たな呼吸機能測定システムImpulse oscillation (IOS)を用いた研究で、喘息の重要なアウトカムである健康関連QOLや疾患コントロールに末梢気道病変が中枢気道と独立して寄与する可能性を示唆した [Takeda et al. Respiration 2010]。さらに、粒子径の大きな薬剤と比較して、微細粒子径吸入ステロイド薬が末梢気道を反映することが想定されるIOS指標を有意に改善させ、その改善が気道過敏性の改善をももたらすことや、治療前のIOSによる評価が治療薬の選択に有用である可能性も報告した [Yamaguchi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009]。最近は気道炎症の非侵襲的な指標である呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を複数フロー下で測定し、算出したNOの肺胞成分(CANO)を用いて、病理・生理学的変化の背景にある末梢気道炎症の評価を行っている[Kiyokawa et al. Allergol Int 2011] [Nakaji et al. Nitric Oxide 2011] [松本久子. 専門医のためのアレルギー学講座, アレルギー 2012](図2)。 CANO値がIOSの末梢気道指標と有意に相関することを示し[Matsumoto et al. Respiration, 2011]、治療下の喘息例においても、微細粒子径吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の追加投与により、残存する末梢気道炎症が減弱し、喘息コントロール改善につながる可能性を示した [Nakaji, Petrova et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013]。
      3. 喘息における気道・全身炎症の評価と多様性の追求:好酸球顆粒蛋白eosinophil cationic protein (ECP) の血清中濃度が気道の好酸球性炎症を間接的に反映することを示す一方で [Niimi et al. Clin Exp Allergy 1998]、血清ECP値が喘息の増悪時にも正常値を示す患者群の存在とその臨床像を 明らかにし、喘息の主要なエフェクター細胞として理解されている好酸球の関与に多様性が見られることを示唆した [Matsumoto et al. Clin Exp Allergy 2001]。また血清高感度CRP値が吸入ステロイド非使用患者で高値をとり、呼吸機能や喀痰好酸球数と相関することから、全身性炎症の存在とともに炎症マーカーとしての有用性を示唆した [Takemura et al. Eur Respir J 2006]。また近年非侵襲的な気道炎症の評価方法として使用されている誘発喀痰を用いて、気道分泌が気流閉塞や気道過敏性亢進に防御的に作用している可能性を示すと共に [Jinnai et al. Chest 2010]、好中球性気道炎症のマーカーの探索を行っている[Otsuka et al. Respiration 2012]。咳喘息において好中球が好酸球と同時に増加することでおそらくは相互作用により難治化をもたらす可能性 [Matsuoka et al. Chest 2010] (図7) を明らかにし、また誘発喀痰検査が不成功に終わる患者の臨床像を解析して検査の限界や結果解釈の問題点を示した [Matsuoka et al. J Allergy Clin Immunol 2008]。
      4. 喘息の難治化に関与する諸因子:抗原への感作は喘息の重要な発症因子であるが、一般的な抗原への感作は重症難治化との関連が乏しいとされる従来よりの定説を確認する一方で [Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、白癬の主要な原因真菌であるトリコフィトンへの感作が喘息の重症度と関連することを明らかにし、本真菌が重症難治化をもたらす抗原である可能性を示唆した [Matsuoka et al. Chest 2009]。また黄砂への曝露が喘息を悪化させることは経験的に知られてきたが、定量評価した黄砂の飛散量が小児喘息の増悪入院頻度と有意に相関することを報告した [Kanatani et al. Am J Respir Crit Care Med, 2010]。一般に血清IgEは加齢と共に低下するが、高齢の喫煙喘息例、特にアトピー素因のある例では血清IgE、末梢血好酸球が高く維持されることを初めて明らかにした[Nagasaki et al. Clin Exp Allergy, 2013](図8)。従来喫煙は、好中球性炎症を惹起して喘息を重症化させると認識されてきたが、アトピー素因のある例では好酸球性炎症も十分意識した管理が必要である[Nagasaki, Matsumoto. Allergol Int, in press]。
      5. 喘息の合併症:好酸球性副鼻腔炎はマクロライドに抵抗性の慢性副鼻腔炎で、喘息に合併する慢性副鼻腔炎の約70%を占め、早期から嗅覚障害をきたす。難聴をきたしうる好酸球性中耳炎を約30%に合併し、著しくQOLを障害する。ステロイド薬のみが有効とされていたが、重症喘息合併好酸球性副鼻腔炎において、抗IgE抗体治療により副鼻腔炎、喘息の自他覚所見が平行して改善することを報告し、新規治療法の可能性を提案した[Tajiri et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013] 。
      6. 気道平滑筋の基礎的研究:気道平滑筋の過剰な収縮は、喘息の基本病態の1つである。喘息における気道平滑筋の肥大増生 (リモデリング)、収縮亢進の機序を明らかにする目的でヒト気道平滑筋細胞を用いて検討を進めている。ADAM33、MMP、TIMP、Toll- like receptorなどの分子、サイトカイン・増殖因子に着目し、real-time PCR, Western-blot, FACS, zymography, gel contraction assay (図9), laser capture microdissection (図10), migration/proliferation assay (図11), immunostaining, siRNA, promoter assayなどの手技を用いて解析している [Matsumoto et al. Thorax 2007; Borger et al. J Allergy Clin Immunol 2007; Ito et al. J Allergy Clin Immunol 2007, Clin Exp Allergy 2009]。また気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationと喘息病態との関係について兵庫医科大学生理学教室と共同研究を行い、IL-13による前処理下ではロイコトリエンD4刺激による気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationの頻度が増加することを示した[Matsumoto, Hirata, et al. Cytokine 2012](図12)。
      7. 慢性咳嗽の臨床病理学的研究:慢性咳嗽の主要な原因疾患である咳喘息の気管支粘膜生検組織を検討し、好酸球の病態への関与 [Niimi et al. Eur Respir J 1998] や慢性炎症の結果として生じる気道リモデリング (基底膜肥厚) の存在 [Niimi et al. Lancet 2000] (図13) を明らかにした。CT上の気道壁肥厚の存在も示した[Matsumoto et al. Chest 2007](図14)。さらに咳喘息の予後 (喘息への移行) に吸入ステロイド治療の有無や抗原感作が関与する可能性[Matsumoto et al. J Asthma 2006; Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、ロイコトリエン受容体拮抗薬の咳喘息に対する有効性も報告した[Takemura et al.Respiration2012]。種々の原因による慢性咳嗽の気道病理像の解析や生理学的検討、咳発現メカニズムの解明にも取り組んでいる[Niimi et al. Thorax 2004, Pulm Pharmacol Ther 2004, J Allergy Clin Immunol 2005; Groneberg et al. Am J Respir Crit Care Med 2004; Matsumoto et al. Cough 2009; Takemura et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] [Otsuka et al. Respiration 2011]。咳嗽を呈する炎症性気道疾患群の概念整理の試み [Gibson et al. Thorax 2002; Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] や、グローバルな見地に立った慢性咳嗽の疫学論 を提唱する [Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2007; Matsumoto et al. Cough 2007]一方で、咳反射の感染防御機構としての重要性を反復性肺炎患者における検討から示唆した [Niimi et al. Thorax 2003]。気道過敏性検査やFeNO測定は慢性・遷延性咳嗽の診断に有用なツールであるが、実地臨床では検査困難なことが多い。咳嗽関連誘発因子の問診票(表1)を作成し、問診から得られる咳嗽誘発因子の一部、冷気・ストレス・タバコの煙などが疾患や病態と関係することを明らかにした[Matsumoto et al. Allergol Int 2012](表2)。
      8. 動物モデルの炎症病態解明:職業関連喘息の原因物質toluene diisocyanate (TDI) 反復曝露によるモルモット遅発型喘息モデル作成に成功し、遅発型喘息への好酸球の関与を明らかにした [Niimi et al. J Allergy Clin Immunol 1996]。同様の曝露にて過敏性肺炎類似の肺病変も惹起し得た [Yamada et al. Eur Respir J 1995]。ラット卵白アルブミン喘息モデルにおける気道炎症、リモデリングの新薬治療も報告した [Leung et al. J Pharmacol Exp Ther 2006]。最近ではモルモットやマウスモデルを用いて咳受容体感受性亢進の病態解明や治療研究にも着手している [Leung et al. Cough 2007] (図15)。

      喘息・慢性咳嗽の領域は、診療に高い専門性が要求され、また数多くの研究課題も残している一方で、呼吸器疾患の中でも最もcommonな疾患群であり、外来診療が主体となるプライマリケア的な側面も大きいという特徴があります。診断や治療が上手くいって患者さんに喜んでもらえるという医師としての幸せを日々感じつつ、多様な病態を示す患者さんの診療に常に考えながら取り組むことで重要な研究テーマに巡り会い、それを解明し実地臨床に還元していくという臨床研究者として何物にも代え難い醍醐味も味わえます。是非この領域に関心を持っていただき、ともに研究に取り組みましょう。熱意ある先生方を心より歓迎致します。

  • 感染症

    • 京都市、赤穂市在住で非結核性抗酸菌症の診療を受けている患者さんへ

      当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られる記録をまとめることによって行います。このような研究は、文部科学省・厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人ずつから直接同意を得る必要はなく、研究内容の情報を公開することが必要とされています。この研究に関する問い合わせなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

      「研究課題名」:非結核性抗酸菌症の細菌学的有病率に関する地域間較差
      「主たる研究機関」:京都大学医学部附属病院
      「共同研究機関」:赤穂市民病院
      「研究実施責任者」:伊藤 穣(呼吸器内科、助教)
      「研究の目的」:非結核性抗酸菌症の有病率や原因となっている菌の種類の地域間の違いを検討する。
      「研究の方法」
      ・対象となる患者さん:京都市または赤穂市在住で2011年1月から2013年12月までに痰の検査で非結核性抗酸菌症と診断された患者さん。
      ・利用するカルテ情報:年齢、性別、細菌学的データなど。
      「個人情報の取り扱い」
      成果の公表に関しては、個人情報保護法に基づいて対象患者の名前や住所などプライバシーにかかわる事項や個人を特定できるような試験結果は一切公表しません。結果の解析時には、患者様の名前は使用されず、番号、医療機関名にて管理されますので、個人情報は保護されます。

      ※上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解いただけない場合は、以下にご連絡ください。なおその場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。

      「問い合わせ先」
      〒606-8397 京都府京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤 穣
      電話 075-751-3830 FAX 075-751-4643


      京都大学医学部附属病院、赤穂市民病院で非結核性抗酸菌症の診療を受けている患者さんへ

      当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られる記録をまとめることによって行います。このような研究は、文部科学省・厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人ずつから直接同意を得る必要はなく、研究内容の情報を公開することが必要とされています。この研究に関する問い合わせなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

      「研究課題名」:非結核性抗酸菌症の発症因子に関する地域間較差
      「主たる研究機関」:京都大学医学部附属病院
      「共同研究機関」:赤穂市民病院
      「研究実施責任者」:伊藤 穣(呼吸器内科、助教)
      「研究の目的」:非結核性抗酸菌症の原因となっている菌の種類や発症に関与している因子の地域間の違いを検討する。
      「研究の方法」
      ・対象となる患者さん:京都市または赤穂市在住で京都大学医学部附属病院または赤穂市民病院に通院しており2006年1月から2015年3月までに非結核性抗酸菌症と診断された患者さん。
      ・利用するカルテ情報:年齢、性別、居住地(都道府県)、既往歴、合併症、症状、画像所見、血液検査データ、細菌学的データ、治療歴など。
      「個人情報の取り扱い」
      成果の公表に関しては、個人情報保護法に基づいて対象患者の名前や住所などプライバシーにかかわる事項や個人を特定できるような試験結果は一切公表しません。結果の解析時には、患者様の名前は使用されず、番号、医療機関名にて管理されますので、個人情報は保護されます。

      ※上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解いただけない場合は、以下にご連絡ください。なおその場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。

      「問い合わせ先」
      〒606-8397 京都府京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤 穣
      電話 075-751-3830 FAX 075-751-4643


      肺MAC症患者の病原微生物の重複感染とその危険因子に関する調査のお知らせ

      当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られる記録をまとめることによって行います。このような研究は、文部科学省・厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人ずつから直接同意を得る必要はなく、研究内容の情報を公開することが必要とされています。この研究に関する問い合わせなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

      「研究課題名」:肺Mycobacterium avium-intracellulare complex症患者における病原微生物の重複感染とその危険因子に関する調査

      「研究機関」:京都大学医学部附属病院

      「研究責任者」:伊藤 穣(呼吸器内科、助教)

      「研究の目的と方法」:
      近年、肺Mycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)症は世界的に増加傾向にあることが知られています。肺MAC症は長期の経過をたどり、しばしば気管支拡張症や空洞病変の合併を来すことが知られています。気管支拡張症や空洞病変を有する方には様々な病原微生物が感染または定着することが知られており、それらが病気の進行と関連するという報告がなされています。しかし、気管支拡張や空洞病変など類似の病態を呈する肺MAC症においては、これら病原微生物の重複感染の頻度やそのリスク要因、重複感染による病態への影響も不明です。そこで、重複感染の頻度とその危険因子を明らかにすることを目的に、過去に当院で肺MAC症と診断され通院された方を対象に、調査を行うことに致しました。

      この研究は2001年1月から2012年9月までに肺MAC症と診断された患者さんを対象に、患者さんのカルテを閲覧し、背景・喀痰検査・画像所見・肺生理検査・治療内容などを調べるものです。調べた結果は京都大学呼吸器内科で集計し、肺MAC症の経過中の重複感染の有無と背景や画像所見との関連などを解析する予定です。

      カルテの閲覧は呼吸器内科に所属の医師が行い、カルテ内容が施設外に持ち出されることはありません。また各調査表には患者様の名前は使用せず、番号のみで管理されますので、個人情報は厳密に保護されます。本研究はすでに京都大学における倫理委員会で承認されておりますが、この研究の対象となります患者様につきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたいと思います。なお、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

      上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解いただけない場合は、以下にご連絡ください。なおその場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。

      「問い合わせ先」
      〒606-8397 京都府京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤 穣、藤田 浩平

      電話 075-751-3830 FAX 075-751-4643


      MAC菌のフルオロキノロン抗菌薬に対する薬剤感受性に関する全国調査のお知らせ

      当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は通常の診療で得られる記録をまとめることによって行います。このような研究は、文部科学省・厚生労働省の「疫学研究に関する倫理指針」の規定により、対象となる患者さんお一人ずつから直接同意を得る必要はなく、研究内容の情報を公開することが必要とされています。この研究に関する問い合わせなどがありましたら、以下の「問い合わせ先」へご連絡ください。

      「研究課題名」:Mycobacterium avium-intracellulare complexのフルオロキノロン抗菌薬に対する薬剤感受性に関する全国調査

      「主たる研究機関」:国立病院機構近畿中央胸部疾患センター

      「共同研究機関」:京都大学医学部附属病院

      「研究実施責任者」:伊藤 穣(呼吸器内科、助教)

      「研究の目的」:患者さんから検出し保存されたMycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)菌株を全国から集めて、試験管内でフルオロキノロン抗菌薬などの効果を検討します。現在の肺MAC症に対する化学療法の効果には限界があり、新たな化学療法を開発する必要があります。その一助として、各種フルオロキノロン抗菌薬の効果を検証し、有望な薬剤があれば将来臨床試験へと発展させる目的です。

      「研究の方法」
      ・対象となる患者さん:平成25年1月1日から平成26年12月31日までに新たに肺MAC症と診断された未治療の患者さん。
      ・利用するカルテ情報:年齢、性別、居住地(都道府県)、既往歴、合併症、症状、画像所見、血液データ、細菌学的データ、治療歴など。

      「個人情報の取り扱い」
      成果の公表に関しては、個人情報保護法に基づいて対象患者の名前や住所などプライバシーにかかわる事項や個人を特定できるような試験結果は一切公表しません。菌株の同定や照会は、菌株登録時に発行される登録IDと医療機関名を用いて行います。

      上記の研究にカルテ情報を利用することをご了解いただけない場合は、以下にご連絡ください。なおその場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。

      「問い合わせ先」
      〒606-8397 京都府京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤 穣
      電話 075-751-3830 FAX 075-751-4643


      市中肺炎:

      本邦における肺炎の死因順位は第4位と依然高く、重要な疾患である。肺炎での薬剤耐性菌の蔓延は、肺炎が感染症のなかでも最も頻度の高い疾患であるため、肺炎治療のみならず他の感染症治療に与える影響も大きい。当グループでは、市中肺炎で最も頻度の高い肺炎球菌の薬剤耐性に関して、その頻度、分子疫学、クローン伝播について検討してきた。今後も市中肺炎の疫学調査を継続し、本邦での肺炎の実態を明らかにしていく予定である。

      抗酸菌感染症、真菌感染症:

      肺結核の減少とともに肺非結核性抗酸菌症の頻度が増加しているが、その発病、進展、治療など不明な点が多い。宿主、細菌の両面からこの疾患の病態の解明に 取り組んでいる。また、京大病院肝胆膵移植外科との共同研究で生体肝移植レシピエントの術後肺アスペルギルス症の病態、リスクファクターを明らかにしてきた。京大病院では種々の移植医療が行われており、今後も他科とも協力し、日和見感染症の側面をもつ抗酸菌感染症、真菌感染症の制御のための臨床研究を行っていく。

      肺MAC症患者の長期予後と予後因子に関する調査のお知らせ

      肺Mycobacterium avium-inracellulare症(以下肺MAC症)は非結核性抗酸菌症の代表的な疾患で、近年中高年の女性を中心に患者数が増加しています。本 疾患は、結核と異なり他者への感染性を有さず、その進行は緩徐とされますが、有効な抗菌薬が開発されていないため約半数が除菌にいたらずに慢性感染症へ移 行する難治性呼吸器感染症です。最近デンマークから発表された予後調査の結果では、様々な基礎疾患を有する人に感染した場合も含めた5年後の全死亡率は約 40%で、高齢、男性、基礎疾患が予後因子とされました。しかし、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響についてはいまだ不明です。 そこで、肺MAC症と診断されたかたの予後とその予後を予測する因子を明らかにすることを目的に、京都大学医学部附属病院を受診され、肺MAC症と診断された患者さんの調査を行うことに致しました。

      この研究は1998年1月から2005年12月末までに肺MAC症と診断された患者さんを対象に、患者さんのカルテを閲覧し、背景・排菌状況・画像所見・治療内容・予後などを調べるものです。調べた結果は京都大学呼吸器内科で集計し、肺MAC症に対する治療の有無別に背景・予後・排菌状況・治療内容などを 調べ、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響を検討する予定です。カルテの閲覧は医師が行い、調査の際にカルテが施設外に持ち出されることはありません。調査表には各患者様の名前は使わず、番号のみで管理されますので、個人情報は厳密に保護されます。

      本共同研究は既に京都大学における倫理委員会で承認されておりますが、この研究の対象となります患者さんにつきましては、ご異存がなければ、調査に加えさ せていただきたいと思います。今後の同じ病気の患者さんの治療法選択に直結する臨床研究でございますので、何卒よろしくご理解とご協力をお願い申し上げます。

      もし、本研究へのご協力がいただけない場合には、下記までご連絡下されば幸いに存じます。

      なお、本研究の計画は京都大学で作成致しました。更に詳しい情報が必要な場合は京都大学呼吸器内科伊藤穣(FAX 075-751-4643;お問い合わせフォーム)にてお問い合わせください。

      以上でございます。この研究を通して今後の肺MAC症に対する診療の向上に鋭意努力して参る所存でございます。ご協力ご高配をよろしくお願い申し上げます。


      Health-care-associated pneumonia (HCAP)の臨床像に関する調査のお知らせ

      私たちは医療関連肺炎(HCAP) の病態を市中肺炎(CAP)と比較する研究を行っています。

      CAPとは、医療関連 行為を受けていない方に家庭で起こった肺炎です。HCAPとは、アメリカ胸部疾患学会が2005年に出版したガイドラインで肺炎の新たなカテゴリーとして 提唱されたもので、何らかの医療関連行為を受けておられる患者さん(以下の範囲に入る患者さん)に起こった肺炎のことを言います。

      (1) 過去90日間で2日以上の入院歴がある。
      (2) 老人ホームなどの長期療養施設にて発症した。
      (3) 過去30日以内に抗生剤や抗癌剤の点滴治療や創傷治療を受けた。
      (4) 透析治療中である。
      (5) 外来通院中である。

      これまで、HCAPについては多人数の患者さんのデータを解析した研究は少なく、まだその臨床的特徴は明らかではありません。そこで、京都大学および関連 の病院に入院されたHCAPもしくはCAPの患者さんを多人数集積して、 HCAPの診療に役立つ情報を見出すことを目的としました。

      この研究 は、2010年12月までに京都大学医学部附属病院および一部の関連病院(約10病院)に入院され、HCAPもしくはCAPとして治療を受けられた(また は、治療を受けられる)患者さんを対象とし、患者さんのカルテを閲覧し、病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などのデータを解析するものです。 カルテの閲覧は医師が行い、カルテが施設外に持ち出されることはありません。調査には患者さんのお名前は使用せず、番号で管理されますので、個人情報(お 名前や住所など個人が特定できる情報)は保護されます。

      本研究は京都大学における医の倫理委員会で承認を受けたものですが、対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお 願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。な お、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。 ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

      研究責任者
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
      TEL: 075-751-3830
      e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp


      肺炎におけるプロカルシトニン(PCT)測定の有用性に関する検討

      私たちは肺炎の病態に関する研究を行っています。感染症の重症度や治療効果を判定するための血液検査として、近年プロカルシトニン(PCT)という検査ができるようになりました。肺炎の患者さんでも役立つことがある程度わかっているため、検査されることが多くなりましたが、これまでに分かっている以上にどのように役に立つのかを、本研究で明らかにしたいと考えます。具体的には、多くの病院に入院された肺炎の患者さんを多人数集積して、患者さんの病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などと、通常の保険診療の範囲内で行うPCT値の初期値や推移などを解析し、肺炎の診療に役立つ情報を見出すことを研究目的とします。

      この研究は、2013年7月から2015年7月(予定)に入院され、肺炎で治療を受けた患者さんが対象となりますが、個人情報(お名前や住所など個人が特定できる情報)は含まれません。

      この研究は、京都大学医学部呼吸器内科の関連病院が協力して行うもので、研究は倉敷中央病院が中心になってとりまとめるものですが、京都大学医学部附属病院の入院患者さんの参加に関しては京都大学医学部医の倫理委員会で承認を受けた研究です。対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。なお、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。

      ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

      研究責任者
      〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
      京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
      TEL: 075-751-3830
      e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp

  • 肺がん

    • 現在、肺がんグループは関連施設と協力して、様々な臨床研究を行っています。今後は西日本がん研究機構(WJOG)日本・多国間臨床試験機構(JMTO)胸部腫瘍臨床研究機構(TORG)などの大規模臨床研究グループの臨床試験にもさらに積極的に参加していこうと考えています。

      肺がんグループでは、トランスレーショナルリサーチも積極的に行っており、成果は論文など目に見える形となって現れつつあります。肺がんグループはまだま だ発展途上であり、これから更なる実績を積んでいきたいと考えています。肺がんの臨床・研究に興味があって、やる気とガッツのある先生がおられましたら是非いっしょに頑張っていきましょう。 また、近隣の医療施設におかれましては、肺がんの患者さんは疑い例であっても遠慮なさらずにどんどんご紹介ください。必ず患者さんに満足していただけるよう努力いたします。質問などがございましたら、遠慮せずにお問い合わせください。

      連絡先: 075-751-3830
      担 当: 金 永学(助教)