京都大学医学部附属病院を受診し、肺炎と診断された患者さんへ
「成人市中発症肺炎(COP)における肺炎球菌性肺炎の疫学研究」のご案内

このたび、京都大学医学部附属病院呼吸器内科では、長崎大学熱帯医学研究所と共同で、標記の研究を行います。以下に概要をお示ししますので、お問い合わせ、参加拒否のご意向がありましたら、下記の連絡先までご連絡をお願いします。

研究概要

背景と目的:肺炎球菌は、最も頻度の高い肺炎の原因菌です。 65歳以上の高齢者には、この肺炎球菌に対するワクチンが定期接種となっています。肺炎球菌には90種類以上の型があり、現在の定期接種ワクチンはその中で23種類を予防するものです。また、肺炎球菌に対して本来効くはずの抗菌薬(例えばペニシリンなど)が効かないという薬剤耐性の問題が起こっています。肺炎球菌の型と薬剤耐性の関係や、これらの広がりの様子については、まだよくわかっていません。そこで、この研究では、患者さんの喀痰や血液の検査で出てきた肺炎球菌を用いて、これらの問題について研究することを目的とします。
研究対象者:2019年1月から2020年12月の期間に肺炎球菌による肺炎と診断された15歳以上の患者さん
研究に用いることがら:検査で検出された肺炎球菌(菌株)と、患者さんの臨床データを用いて研究します。患者さんのお名前などの個人情報は研究には用いません。
患者さんにとって、この研究にご協力いただくことで利益も不利益もありません。また、ご参加を拒否されても何ら不利益はありませんし、ご参加いただくことに対する謝礼も発生しません。
この研究は、長崎大学と京都大学の医の倫理委員会で審査され、承認を受けたものです。

連絡先

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
電話:075-751-3830


市中肺炎:

本邦における肺炎の死因順位は第4位と依然高く、重要な疾患である。肺炎での薬剤耐性菌の蔓延は、肺炎が感染症のなかでも最も頻度の高い疾患であるため、肺炎治療のみならず他の感染症治療に与える影響も大きい。当グループでは、市中肺炎で最も頻度の高い肺炎球菌の薬剤耐性に関して、その頻度、分子疫学、クローン伝播について検討してきた。今後も市中肺炎の疫学調査を継続し、本邦での肺炎の実態を明らかにしていく予定である。

抗酸菌感染症、真菌感染症:

肺結核の減少とともに肺非結核性抗酸菌症の頻度が増加しているが、その発病、進展、治療など不明な点が多い。宿主、細菌の両面からこの疾患の病態の解明に 取り組んでいる。また、京大病院肝胆膵移植外科との共同研究で生体肝移植レシピエントの術後肺アスペルギルス症の病態、リスクファクターを明らかにしてきた。京大病院では種々の移植医療が行われており、今後も他科とも協力し、日和見感染症の側面をもつ抗酸菌感染症、真菌感染症の制御のための臨床研究を行っていく。

肺MAC症患者の長期予後と予後因子に関する調査のお知らせ

肺Mycobacterium avium-inracellulare症(以下肺MAC症)は非結核性抗酸菌症の代表的な疾患で、近年中高年の女性を中心に患者数が増加しています。本 疾患は、結核と異なり他者への感染性を有さず、その進行は緩徐とされますが、有効な抗菌薬が開発されていないため約半数が除菌にいたらずに慢性感染症へ移 行する難治性呼吸器感染症です。最近デンマークから発表された予後調査の結果では、様々な基礎疾患を有する人に感染した場合も含めた5年後の全死亡率は約 40%で、高齢、男性、基礎疾患が予後因子とされました。しかし、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響についてはいまだ不明です。 そこで、肺MAC症と診断されたかたの予後とその予後を予測する因子を明らかにすることを目的に、京都大学医学部附属病院を受診され、肺MAC症と診断された患者さんの調査を行うことに致しました。

この研究は1998年1月以後に肺MAC症と診断された患者さんを対象に、患者さんのカルテを閲覧し、背景・排菌状況・画像所見・治療内容・予後などを調べるものです。調べた結果は京都大学呼吸器内科で集計し、肺MAC症に対する治療の有無別に背景・予後・排菌状況・治療内容などを 調べ、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響を検討する予定です。カルテの閲覧は医師が行い、調査の際にカルテが施設外に持ち出されることはありません。調査表には各患者様の名前は使わず、番号のみで管理されますので、個人情報は厳密に保護されます。

本共同研究は既に京都大学における倫理委員会で承認されておりますが、この研究の対象となります患者さんにつきましては、ご異存がなければ、調査に加えさ せていただきたいと思います。今後の同じ病気の患者さんの治療法選択に直結する臨床研究でございますので、何卒よろしくご理解とご協力をお願い申し上げます。

もし、本研究へのご協力がいただけない場合には、下記までご連絡下されば幸いに存じます。

なお、本研究の計画は京都大学で作成致しました。
更に詳しい情報が必要な場合は京都大学呼吸器内科伊藤功朗(FAX 075-751-4643;お問い合わせフォーム)にてお問い合わせください。

以上でございます。この研究を通して今後の肺MAC症に対する診療の向上に鋭意努力して参る所存でございます。ご協力ご高配をよろしくお願い申し上げます。


Health-care-associated pneumonia (HCAP)の臨床像に関する調査のお知らせ

私たちは医療関連肺炎(HCAP) の病態を市中肺炎(CAP)と比較する研究を行っています。

CAPとは、医療関連 行為を受けていない方に家庭で起こった肺炎です。HCAPとは、アメリカ胸部疾患学会が2005年に出版したガイドラインで肺炎の新たなカテゴリーとして 提唱されたもので、何らかの医療関連行為を受けておられる患者さん(以下の範囲に入る患者さん)に起こった肺炎のことを言います。

(1) 過去90日間で2日以上の入院歴がある。
(2) 老人ホームなどの長期療養施設にて発症した。
(3) 過去30日以内に抗生剤や抗癌剤の点滴治療や創傷治療を受けた。
(4) 透析治療中である。
(5) 外来通院中である。

これまで、HCAPについては多人数の患者さんのデータを解析した研究は少なく、まだその臨床的特徴は明らかではありません。そこで、京都大学および関連 の病院に入院されたHCAPもしくはCAPの患者さんを多人数集積して、 HCAPの診療に役立つ情報を見出すことを目的としました。

この研究 は、2010年12月までに京都大学医学部附属病院および一部の関連病院(約10病院)に入院され、HCAPもしくはCAPとして治療を受けられた(また は、治療を受けられる)患者さんを対象とし、患者さんのカルテを閲覧し、病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などのデータを解析するものです。 カルテの閲覧は医師が行い、カルテが施設外に持ち出されることはありません。調査には患者さんのお名前は使用せず、番号で管理されますので、個人情報(お 名前や住所など個人が特定できる情報)は保護されます。

本研究は京都大学における医の倫理委員会で承認を受けたものですが、対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお 願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。な お、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。 ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
TEL: 075-751-3830
e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp


肺炎におけるプロカルシトニン(PCT)測定の有用性に関する検討

私たちは肺炎の病態に関する研究を行っています。感染症の重症度や治療効果を判定するための血液検査として、近年プロカルシトニン(PCT)という検査ができるようになりました。肺炎の患者さんでも役立つことがある程度わかっているため、検査されることが多くなりましたが、これまでに分かっている以上にどのように役に立つのかを、本研究で明らかにしたいと考えます。具体的には、多くの病院に入院された肺炎の患者さんを多人数集積して、患者さんの病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などと、通常の保険診療の範囲内で行うPCT値の初期値や推移などを解析し、肺炎の診療に役立つ情報を見出すことを研究目的とします。

この研究は、2013年7月から2015年7月(予定)に入院され、肺炎で治療を受けた患者さんが対象となりますが、個人情報(お名前や住所など個人が特定できる情報)は含まれません。

この研究は、京都大学医学部呼吸器内科の関連病院が協力して行うもので、研究は倉敷中央病院が中心になってとりまとめるものですが、京都大学医学部附属病院の入院患者さんの参加に関しては京都大学医学部医の倫理委員会で承認を受けた研究です。対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。なお、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。

ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
TEL: 075-751-3830
e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp