気道疾患(COPD、喘息・慢性咳嗽)


COPD

COPD(慢性閉塞生肺疾患)の病態解明を通じて、よりよい医療を提供することを目的に、COPDの発症、初期病変、病態の進行、増悪の機序を解明することを目的としている。特にその病因について炎症の立場から捉え、臨床研究から、動物モデル、培養細胞を用いた研究まで幅広く 行っている。当科では以前より画像診断を用いて、気道炎症病変と肺野の気腫化病変の弁別を提唱しており、分子生物学的手法と画像生理学的手法の統合を目指 している。

実地医療においては、京都市内で喫煙歴のある人に呼吸機能検査を施行することによって、日常診療中に潜在するCOPD症例の発掘と啓蒙につとめており、実地医家の先生方からの紹介も多数ある。詳細な問診と、気道可逆性や過敏性検査・気道抵抗検査を含む精密呼吸機能検査、CTを中心とした画像解析、質問表を 用いたQOLの評価などを通じて、呼吸器他疾患の鑑別とCOPDの重症度評価を多面的に行い、また同時にCOPD患者に多く存在する併存症に関しては他科 専門医にコンサルトするなど、全身性疾患と捉えられつつあるCOPDの個々の患者の全体像を把握することにより、良質の医療を提供することを心がけている。臨床研究では、臨床データの蓄積と病態と肺機能検査データやCT画像解析との関連、病態に関連する遺伝子多型の解析を行っている。また呼吸器外科との共同 研究として、肺組織バンクを立ち上げ、ヒト肺組織の免疫組織化学やin situ hybridization等による炎症細胞浸潤の同定やサイトカインの発現の定量といった観点から病態生理を解明したいと考えている。動物を用いた研究 では、COPDモデル動物の確立とその解析も行いつつある。また培養細胞を用いた検討では、炎症に関わる遺伝子の発現とその機序について分子生物学的手法 を用いて検討を行っている。また、遺伝子解析に関しては理化学研究所と共同研究を進めるなど、他施設・他領域の研究者との共同研究も積極的に行っている。

これらの研究について、週に1回程度、COPDグループ研究カンファレンスを行っている。

喘息・慢性咳嗽

喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

主要な研究領域

喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

主要な研究領域

  1. CT画像を用いた気道リモデリングの病態追求:病理学的検討の困難さ故に気道リモデリングの病態には不明の点が多い。我々は、教室で開発したCTによる気道 dimensionの自動解析システムを応用し中枢気道リモデリングの病態生理学的意義、治療などを追求してきた [Niimi et al. Clin Rev Allergy Immunol 2004]:1. 喘息患者では健常者に比し気道壁が厚く、肥厚の程度は重症度、罹病期間、気流閉塞と相関する [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2000] (図3):2. 気道壁厚は12週間の吸入ステロイド治療で部分的に減少するが、罹病期間が長いほど減少は乏しく治療後残存する壁肥厚も大きい [Niimi et al. Am J Med 2004] (図4)。同様の事象は長期(平均4.2年)の吸入ステロイド治療下でも認められ [Matsumoto et al. J Invest Allergol Clin Immunol, 2011]、早期治療介入の重要性が形態学的に示唆される。:3. 安定期患者の気道壁厚がメサコリン気道反応性と逆相関することから、気道壁肥厚がagonistによる平滑筋収縮に防御的に働く可能性がある [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2003]。その他、気道壁肥厚や呼吸機能と喀痰中の液性因子 [Matsumoto et al. Thorax 2005 (図5); Yamaguchi et al. J Invest Allergol Clin Immunol 2008]、TGF-B1遺伝子多型との関連 [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2008] (図6)、喘息における気管支拡張の存在と意義 [Takemura et al. Chest 2004] などについても報告している。最近ではmultidetector CTを用いて研究を発展させている。
  2. 末梢気道病変の臨床的意義と治療への包括的アプローチ:内径2 mm未満の末梢気道の評価は従来の方法では容易ではなく、喘息における末梢気道病変の意義は不明の点が多かった。我々は、高分解能CTの肺野濃度で評価した末梢気道病変の程度が喘息重症度や気道過敏性と相関することを示し、末梢気道が喘息の重要な治療ターゲットであることを明らかにした [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2006]。また簡便で低侵襲的に中枢気道と末梢気道を評価しうる新たな呼吸機能測定システムImpulse oscillation (IOS)を用いた研究で、喘息の重要なアウトカムである健康関連QOLや疾患コントロールに末梢気道病変が中枢気道と独立して寄与する可能性を示唆した [Takeda et al. Respiration 2010]。さらに、粒子径の大きな薬剤と比較して、微細粒子径吸入ステロイド薬が末梢気道を反映することが想定されるIOS指標を有意に改善させ、その改善が気道過敏性の改善をももたらすことや、治療前のIOSによる評価が治療薬の選択に有用である可能性も報告した [Yamaguchi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009]。最近は気道炎症の非侵襲的な指標である呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を複数フロー下で測定し、算出したNOの肺胞成分(CANO)を用いて、病理・生理学的変化の背景にある末梢気道炎症の評価を行っている[Kiyokawa et al. Allergol Int 2011] [Nakaji et al. Nitric Oxide 2011] [松本久子. 専門医のためのアレルギー学講座, アレルギー 2012](図2)。 CANO値がIOSの末梢気道指標と有意に相関することを示し[Matsumoto et al. Respiration, 2011]、治療下の喘息例においても、微細粒子径吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の追加投与により、残存する末梢気道炎症が減弱し、喘息コントロール改善につながる可能性を示した [Nakaji, Petrova et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013]。
  3. 喘息における気道・全身炎症の評価と多様性の追求:好酸球顆粒蛋白eosinophil cationic protein (ECP) の血清中濃度が気道の好酸球性炎症を間接的に反映することを示す一方で [Niimi et al. Clin Exp Allergy 1998]、血清ECP値が喘息の増悪時にも正常値を示す患者群の存在とその臨床像を 明らかにし、喘息の主要なエフェクター細胞として理解されている好酸球の関与に多様性が見られることを示唆した [Matsumoto et al. Clin Exp Allergy 2001]。また血清高感度CRP値が吸入ステロイド非使用患者で高値をとり、呼吸機能や喀痰好酸球数と相関することから、全身性炎症の存在とともに炎症マーカーとしての有用性を示唆した [Takemura et al. Eur Respir J 2006]。また近年非侵襲的な気道炎症の評価方法として使用されている誘発喀痰を用いて、気道分泌が気流閉塞や気道過敏性亢進に防御的に作用している可能性を示すと共に [Jinnai et al. Chest 2010]、好中球性気道炎症のマーカーの探索を行っている[Otsuka et al. Respiration 2012]。咳喘息において好中球が好酸球と同時に増加することでおそらくは相互作用により難治化をもたらす可能性 [Matsuoka et al. Chest 2010] (図7) を明らかにし、また誘発喀痰検査が不成功に終わる患者の臨床像を解析して検査の限界や結果解釈の問題点を示した [Matsuoka et al. J Allergy Clin Immunol 2008]。
  4. 喘息の難治化に関与する諸因子:抗原への感作は喘息の重要な発症因子であるが、一般的な抗原への感作は重症難治化との関連が乏しいとされる従来よりの定説を確認する一方で [Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、白癬の主要な原因真菌であるトリコフィトンへの感作が喘息の重症度と関連することを明らかにし、本真菌が重症難治化をもたらす抗原である可能性を示唆した [Matsuoka et al. Chest 2009]。また黄砂への曝露が喘息を悪化させることは経験的に知られてきたが、定量評価した黄砂の飛散量が小児喘息の増悪入院頻度と有意に相関することを報告した [Kanatani et al. Am J Respir Crit Care Med, 2010]。一般に血清IgEは加齢と共に低下するが、高齢の喫煙喘息例、特にアトピー素因のある例では血清IgE、末梢血好酸球が高く維持されることを初めて明らかにした[Nagasaki et al. Clin Exp Allergy, 2013](図8)。従来喫煙は、好中球性炎症を惹起して喘息を重症化させると認識されてきたが、アトピー素因のある例では好酸球性炎症も十分意識した管理が必要である[Nagasaki, Matsumoto. Allergol Int, in press]。
  5. 喘息の合併症:好酸球性副鼻腔炎はマクロライドに抵抗性の慢性副鼻腔炎で、喘息に合併する慢性副鼻腔炎の約70%を占め、早期から嗅覚障害をきたす。難聴をきたしうる好酸球性中耳炎を約30%に合併し、著しくQOLを障害する。ステロイド薬のみが有効とされていたが、重症喘息合併好酸球性副鼻腔炎において、抗IgE抗体治療により副鼻腔炎、喘息の自他覚所見が平行して改善することを報告し、新規治療法の可能性を提案した[Tajiri et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013] 。
  6. 気道平滑筋の基礎的研究:気道平滑筋の過剰な収縮は、喘息の基本病態の1つである。喘息における気道平滑筋の肥大増生 (リモデリング)、収縮亢進の機序を明らかにする目的でヒト気道平滑筋細胞を用いて検討を進めている。ADAM33、MMP、TIMP、Toll- like receptorなどの分子、サイトカイン・増殖因子に着目し、real-time PCR, Western-blot, FACS, zymography, gel contraction assay (図9), laser capture microdissection (図10), migration/proliferation assay (図11), immunostaining, siRNA, promoter assayなどの手技を用いて解析している [Matsumoto et al. Thorax 2007; Borger et al. J Allergy Clin Immunol 2007; Ito et al. J Allergy Clin Immunol 2007, Clin Exp Allergy 2009]。また気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationと喘息病態との関係について兵庫医科大学生理学教室と共同研究を行い、IL-13による前処理下ではロイコトリエンD4刺激による気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationの頻度が増加することを示した[Matsumoto, Hirata, et al. Cytokine 2012](図12)。
  7. 慢性咳嗽の臨床病理学的研究:慢性咳嗽の主要な原因疾患である咳喘息の気管支粘膜生検組織を検討し、好酸球の病態への関与 [Niimi et al. Eur Respir J 1998] や慢性炎症の結果として生じる気道リモデリング (基底膜肥厚) の存在 [Niimi et al. Lancet 2000] (図13) を明らかにした。CT上の気道壁肥厚の存在も示した[Matsumoto et al. Chest 2007](図14)。さらに咳喘息の予後 (喘息への移行) に吸入ステロイド治療の有無や抗原感作が関与する可能性[Matsumoto et al. J Asthma 2006; Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、ロイコトリエン受容体拮抗薬の咳喘息に対する有効性も報告した[Takemura et al.Respiration2012]。種々の原因による慢性咳嗽の気道病理像の解析や生理学的検討、咳発現メカニズムの解明にも取り組んでいる[Niimi et al. Thorax 2004, Pulm Pharmacol Ther 2004, J Allergy Clin Immunol 2005; Groneberg et al. Am J Respir Crit Care Med 2004; Matsumoto et al. Cough 2009; Takemura et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] [Otsuka et al. Respiration 2011]。咳嗽を呈する炎症性気道疾患群の概念整理の試み [Gibson et al. Thorax 2002; Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] や、グローバルな見地に立った慢性咳嗽の疫学論 を提唱する [Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2007; Matsumoto et al. Cough 2007]一方で、咳反射の感染防御機構としての重要性を反復性肺炎患者における検討から示唆した [Niimi et al. Thorax 2003]。気道過敏性検査やFeNO測定は慢性・遷延性咳嗽の診断に有用なツールであるが、実地臨床では検査困難なことが多い。咳嗽関連誘発因子の問診票(表1)を作成し、問診から得られる咳嗽誘発因子の一部、冷気・ストレス・タバコの煙などが疾患や病態と関係することを明らかにした[Matsumoto et al. Allergol Int 2012](表2)。
  8. 動物モデルの炎症病態解明:職業関連喘息の原因物質toluene diisocyanate (TDI) 反復曝露によるモルモット遅発型喘息モデル作成に成功し、遅発型喘息への好酸球の関与を明らかにした [Niimi et al. J Allergy Clin Immunol 1996]。同様の曝露にて過敏性肺炎類似の肺病変も惹起し得た [Yamada et al. Eur Respir J 1995]。ラット卵白アルブミン喘息モデルにおける気道炎症、リモデリングの新薬治療も報告した [Leung et al. J Pharmacol Exp Ther 2006]。最近ではモルモットやマウスモデルを用いて咳受容体感受性亢進の病態解明や治療研究にも着手している [Leung et al. Cough 2007] (図15)。

喘息・慢性咳嗽の領域は、診療に高い専門性が要求され、また数多くの研究課題も残している一方で、呼吸器疾患の中でも最もcommonな疾患群であり、外来診療が主体となるプライマリケア的な側面も大きいという特徴があります。診断や治療が上手くいって患者さんに喜んでもらえるという医師としての幸せを日々感じつつ、多様な病態を示す患者さんの診療に常に考えながら取り組むことで重要な研究テーマに巡り会い、それを解明し実地臨床に還元していくという臨床研究者として何物にも代え難い醍醐味も味わえます。是非この領域に関心を持っていただき、ともに研究に取り組みましょう。熱意ある先生方を心より歓迎致します。


京都大学医学部附属病院呼吸器内科で喘息・慢性咳嗽外来を受診された患者さんへ

京都大学医学部附属病院呼吸器内科、喘息・慢性咳嗽グループにて下記の研究を行っております。


閉塞性気道疾患における胸部CT解析の日常臨床応用への可能性に関する多施設共同研究

  1. 研究の名称
    閉塞性気道疾患における胸部CT解析の日常臨床応用への可能性に関する多施設共同研究
  2. 研究の目的
    診療所、地域総合病院、大学病院を含む多施設において、閉塞性気道疾患(COPD、喘息、ACO)の日常臨床の範囲内で撮影された胸部CT画像を解析します。そして蓄積された臨床指標(特に経過中の増悪頻度、身体活動性と呼吸器症状、合併症頻度)との関連を検討することで、日常臨床に応用可能なCT指標を見出すことを目的とします。
  3. 研究期間
    2018年8月1日から2025年7月31日(7年間)
    研究の承認
    本研究の実施にあたっては、臨床研究を審査する京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会において、実施計画書などの研究の内容、個人情報の取扱い、研究結果の提供先とその利用目的などの倫理性・科学性が審査され、京都大学医学部附属病院長の許可を得ています。
  4. 研究機関の名称・研究責任者の氏名
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科  平井 豊博
    北野病院 呼吸器内科  福井 基成
    寺田内科・呼吸器科  寺田 邦彦
    神鋼記念病院 呼吸器内科  大塚 浩二郎
    北海道大学 呼吸器内科 清水 薫子
    Seoul St. Mary’s Hospital, The Catholic University of Korea(韓国)
    Chin Kook Rhee
    Konkuk University(韓国)  Kwang Ha Yoo
    筑波メディカルセンター病院呼吸器内科  飯島 弘晃
    奈良県立医科大学病院 呼吸器内科 室  繁郎
  5. 試料・情報の利用目的・利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
    京都大学呼吸器内科および関連施設において、日常診療の範囲内で撮影された胸部CTおよび診療録より得られる臨床データを収集して解析を行います。また、京都大学呼吸器内科において以前に施行しました観察研究(E-772, R0-331)にて集積しましたデータ(2006年以降)も併せて解析を行います。胸部CTデータは、既に匿名化したうえで京大呼吸器内科にて保存されているもの、関連施設より匿名化したうえで集めたCTデータを、京都大学呼吸器内科で定量解析します。得られた数値CT指標は、共同研究者と共有して、CT指標と臨床データ(肺機能、予後など)との関連について統計学的手法を用いて検証します。また、解析結果は、他研究施設(北海道大学、Seoul St. Mary’s Hospital, The Catholic University of Korea(韓国)、Konkuk University(韓国))と共有して、異なる地域のCOPDの状況の比較のための検討に使用します。
  6. 対象となる試料・情報の取得期間
    京大病院呼吸器内科および関連施設にて、2006年1月1日から2022年12月31日の間に、閉塞性気道疾患(COPD、喘息、ACO)の日常臨床において胸部CTを撮影された患者さん
    関連施設
    1)北野病院 呼吸器内科
    2)寺田内科・呼吸器科
    3)大阪府済生会野江病院 呼吸器内科
    4)神鋼記念病院 呼吸器内科
    5)北海道大学 呼吸器内科
    6)Seoul St. Mary’s Hospital, The Catholic University of Korea(韓国)
    7)Konkuk University(韓国)
    8)筑波メディカルセンター呼吸器内科
    9)奈良県立医科大学病院 呼吸器内科

    また、以下の研究に参加された患者さんの情報を、本研究に二次利用します。
    ・承認番号E772、R0311
    課題名:CTで評価した気腫病変が長期予後に与える影響についての研究

    ・承認番号R2033
    課題名:慢性閉塞性肺疾患の重症度、併存症、予後を反映するCT画像指標の探索(国際共同研究)
    Seoul St. Mary’s Hospital, The Catholic University of Korea のChin Kook Rhee 教授、Konkuk University のKwang Ha Yoo教授より提供

    ・承認番号R2037
    課題名:閉塞性肺疾患の分類・予後予測・治療選択におけるCT画像解析の有用性の検討
    北海道大学・特任助教・清水薫子より提供

  7. 利用または提供する資料・情報の項目
    匿名化された胸部CT画像をDICOMファイルの形で収集し、京都大学呼吸器内科にて保存し解析を行います。また、診療録より調査する臨床データは以下のものがあげられます
    ・基礎的な患者背景(年齢、身長、体重、性別、既往歴、喫煙歴)
    ・肺機能検査
    上記項目は全調査対象者に行う。以下の項目は行われたいた場合のみに調査する。
    ・過去1年間の増悪歴
    ・質問票(Asthma Control Test, COPD assessment Test, Life Space Assessmen、Kihon Check Listt) を用いた症状や身体活動性の程度
    採血結果(全血球算定、末梢血細胞分画、CRP、イムノグロブリンE、BNP、クレアチニン)
    喀痰検査(培養、細胞分画)
    呼気一酸化窒素
    合併症評価目的での、頸動脈もしくは心臓エコー、副鼻腔CT、FSSG、体組成評価
  8. 当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名
    研究責任者
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 教授  平井 豊博
    共同研究者
    田辺 直也 京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科 助教、企画立案、解析
    佐藤 晋     京都大学医学部附属病院 呼吸管理睡眠制御学講座 特定准教授
    企画立案、解析
    白石 祐介 京大病院 呼吸器内科 大学院生 解析
    寺田 悟 京大病院 呼吸器内科 大学院生 解析
    林 優介 京大病院 呼吸器内科 大学院生 解析
    前谷 知毅 京大病院 呼吸器内科 大学院生 解析
    濱川 瑶子 北野病院 呼吸器内科 医員 企画立案、解析
    丸毛 聡  北野病院 呼吸器内科 副部長 企画立案、解析
    福井 基成 北野病院 呼吸器内科 部長 企画立案、解析
    寺田 邦彦 寺田内科・呼吸器科 企画立案、解析
    松本 健 大阪府済生会野江病院 呼吸器内科 医長 企画立案、解析
    鈴木 雄二郎 神鋼記念病院 副院長 企画立案、解析
    大塚 浩二郎 神鋼記念病院 呼吸器内科 科長 企画立案、解析
    清水 薫子 北海道大学 呼吸器内科 特任助教 解析
    Chin Kook Rhee  Seoul St. Mary’s Hospital, The Catholic University of Korea(韓国)
    教授   解析
    Kwang Ha Yoo    Konkuk University(韓国)        教授 解析
    飯島 弘晃 筑波メディカルセンター病院呼吸器内科  診療科長 解析
    望月 芙美 筑波メディカルセンター病院呼吸器内科  医長 解析
    嶋田 貴文 筑波メディカルセンター病院呼吸器内科  医長 解析
    室   繁郎   奈良県立医科大学 呼吸器内科      教授     解析
  9. 試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 教授  平井 豊博
    研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究機関への提供を停止することが出来ますので、ご連絡ください。
  10. 研究の資金・利益相反
    運営費交付金を資金として行います。また、本研究は、特定の企業からの資金提供を受けていません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査されています。
  11. 他の研究対象者等の個人情報等の保護、研究に支障がない範囲での研究に関する資料の入手・閲覧およびその方法
    もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい。
  12. 研究対象者及びその関係者からの求めや相談等への対応方法
    以下の連絡先にて対応させていただきますのでご連絡下さい。
    京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科 助教 田辺直也
    (Tel) 075-751-3830 (E-mail) ntana@kuhp.kyoto-u.ac.jp
    京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口
(Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

数理科学的アプローチによる呼吸器疾患における胸部CT画像を用いた新たな形態学的評価法の確立

  1. 研究の名称
    数理科学的アプローチによる呼吸器疾患における胸部CT画像を用いた新たな形態学的評価法の確立
  2. 研究の目的
    トポロジーなど数理学的なアプローチにより、胸部CT画像を解析し、日常臨床に有用な新しいCT指標を見出すことを目的とする研究です。京都大学医学部附属病院呼吸器内科に既存の胸部CT画像を匿名化したうえで、共同研究者(九州大学マス・フォア・インダストリ研究所、東北大学 材料科学高等研究所、東北大学病院放射線診断科)に提供し検討を行います。
  3. 研究期間
    全体の研究期間は、2017年11月20日からの2024年11月19日です。
  4. 研究方法
    京都大学医学部附属病院呼吸器内科において2006年1月1日から2020年10月31日までに撮影されました胸部CT画像を匿名化したうえで、数理学系の共同研究者とデータを共有しコンピューターを用いた解析を行います。数理学的アプローチにより抽出された形態を特徴づける数値が、実際の診療で有用かつ妥当性を有しているかについては京都大学呼吸器内科において検討を行います。その際は新たな形態指標と通常診療における診療録から抽出された臨床データ(年齢、性別、喫煙歴、肺機能、診断名、投薬歴)との関連を検討します。本研究の実施にあたっては、臨床研究を審査する京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会において、実施計画書などの研究の内容、個人情報の取扱い、研究結果の提供先とその利用目的などの倫理性・科学性が検討され、承認され、京都大学医学部附属病院長の許可を得ています。
  5. 試料・情報の利用目的・利用方法
    京都大学呼吸器内科において通常臨床の範囲内で撮影された胸部CTデータと臨床研究として倫理委員会に承認され、文書による合意を参加者から得たうえで蓄積した胸部CTデータ(承認番号E-772, R0311:CTで評価した気腫病変が長期予後に与える影響についての研究、承認番号C1311-2:慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診療における吸気呼気胸部CTの有用性に関する検討)を京都大学呼吸器内科で引き続き保存させていただきます。さらに共同研究として、匿名化された胸部CTデータを九州大学マス・フォア・インダストリ研究所、東北大学 材料科学高等研究所、東北大学病院放射線診断科に所属する共同研究者(数学研究者、放射線科医師)と共有します。匿名化胸部CTデータの共有についてはパスワード付きのハードディスクを用いて行います。数学科ではトポロジーなどの数理学的アプローチにもとづく形態解析手法を行い、胸部CTにおける各疾患の形態学的特徴を数値化することを目指します。数値化されたデータの有効性や臨床応用可能性につきましては、京都大学呼吸器内科にてCT指標と臨床データ(肺機能、予後など)との相関解析から検討する予定です。
  6. 他の研究対象者等の個人情報等の保護、研究に支障がない範囲での研究に関する資料の入手・閲覧およびその方法
    もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい。ご自身のデータを研究に使われたくない場合は、「9」の窓口までご連絡頂ければ研究対象から削除致しますので、ご連絡ください。
  7. 当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名
    研究責任者
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 教授  平井 豊博
    共同研究者
    田辺 直也  京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科/呼吸器内科  助教 企画立案、解析
    小熊 毅    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 助教 企画立案、解析
    佐藤 晋     京都大学医学部附属病院 呼吸管理睡眠学講座  特定准教授 企画立案、解析
    白石 祐介 京都大学医学部附属病院 呼吸器内科  大学院生 企画立案、解析
    鍛治 静雄 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 教授 企画立案、解析
    水藤 寛 東北大学 材料科学高等研究所 教授 企画立案、解析
    冨永 循哉 東北大学病院放射線診断科 講師 企画立案、解析
    前谷 知毅 京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 大学院生 解析
  8. 試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 教授  平井 豊博
  9. 研究に関する問い合わせ
    京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科/呼吸器内科 助教 田辺直也
    (Tel) 075-751-3830 (E-mail) ntana@kuhp.kyoto-u.ac.jp
    京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口
    (Tel):075-751-4748 (E-mail):ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp
  10. 研究資金・利益相反
    運営費交付金を資金として行います。また、本研究は、特定の企業からの資金提供を受けておりません。利益相反につきましては、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査しています。

健診における慢性閉塞性肺疾患の有病率と全身併存症の関連に関する研究

  1. 研究の名称
    健診における慢性閉塞性肺疾患の有病率と全身併存症の関連に関する研究
  2. 研究の目的
    武田病院健診センター、山科武田ラクト健診センター、京都予防医学センター、筑波メディカルセンター、豊田地域医療センター、トヨタ記念病院において行われた肺機能検査を血液検査、超音波検査などの臨床データとともに解析します。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率やその併存症を明らかにすることを目的とします。さらに、胸部X線写真や胸部CTを撮影された例においては肺、気道、血管の構造を評価し、COPD発症の機序や年齢階層別の肺の構造変化を明らかにすることも目的とします。
  3. 研究期間
    2020年11月20日から2024年11月19日
    研究の承認
    本研究の実施にあたっては、臨床研究を審査する京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会において、実施計画書などの研究の内容、個人情報の取扱い、研究結果の提供先とその利用目的などの倫理性・科学性が検討され、承認され、京都大学医学部附属病院長の許可を得ています。
  4. 研究機関の名称・研究責任者の氏名
    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科  田辺 直也
    武田病院 健診センター   金﨑 めぐみ
    山科武田ラクト健診センター  田巻俊一
    京都予防医学センター 鈴木 克洋
    筑波メディカルセンター病院 呼吸器内科 飯島 弘晃
    豊田地域医療センター 堀口 高彦
    トヨタ記念病院 杉野 安輝
  5. 試料・情報の利用目的・利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
    武田病院健診センター・山科武田ラクト健診センターにおいて施行された健診データを収集して解析を行います。京都大学医学部附属病院 呼吸器内科ではこれらの2施設で取得され、匿名化されたデータの提供を受け、解析を行います。
  6. 対象となる試料・情報の取得期間
    武田病院健診センター、山科武田ラクト健診センター、、京都予防医学センター、筑波メディカルセンター、豊田地域医療センター、トヨタ記念病院において、2010年4月1日から2022年11月30日の間に、健診を受けた方です。
  7. 利用または提供する資料・情報の項目
    匿名化された基礎的な患者背景、肺機能検査、胸部X線画像、胸部CT画像、採血結果、超音波検査結果、問診票などの臨床データを利用します。
  8. 当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名
    研究責任者
    京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科/呼吸器内科 助教 田辺直也
    共同研究者
    金﨑 めぐみ 武田病院 健診センター 所長
    桝田 出     京都医療センター臨床研究センター 内分泌代謝高血圧研究部 客員研究員
    田巻 俊一 山科武田ラクト健診センター 所長
    佐藤 晋     京都大学医学部附属病院 呼吸管理睡眠学講座  特定准教授
    小熊 毅    京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 助教
    鈴木 克洋 京都予防医学センター 専務理事
    堀口 高彦 豊田地域医療センター 院長
    桑原 和伸 藤田医科大学 医学部・内科学・第2 講師
    杉野 安輝 トヨタ記念病院 副院長
    木村 元宏 トヨタ記念病院 呼吸器内科          科部長
    中村 さや トヨタ記念病院 呼吸器内科          医長
    飯島 弘晃 筑波メディカルセンター病院 呼吸器内科  診療科長
    望月 芙美 筑波メディカルセンター病院 呼吸器内科  医長
    嶋田 貴文 筑波メディカルセンター病院 呼吸器内科  医長
    前谷 知毅  京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 大学院生
    寺田 悟 京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 大学院生 解析
    佐藤 篤靖 京都大学医学部附属病院  講師
    白石 佑介   京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 大学院生
    平山 寛 京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 大学院生
  9. 試料・情報の管理について責任を有するものの氏名又は名称
    京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科/呼吸器内科  助教  田辺 直也
    研究対象者又はその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究機関への提供を停止することが出来ますので、ご連絡ください。
  10. 他の研究対象者等の個人情報等の保護、研究に支障がない範囲での研究に関する資料の入手・閲覧およびその方法
    もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい。
  11. 研究資金・利益相反
    運営費交付金を資金として行います。また、本研究は、特定の企業からの資金提供を受けておりません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に管理されています。
  12. 研究対象者及びその関係者からの求めや相談等への対応方法
    以下の連絡先にて対応させていただきますのでご連絡下さい。
    1)研究課題ごとの相談窓口
    京都大学医学部附属病院 リハビリテーション科/呼吸器内科 助教 田辺直也
    (Tel) 075-751-3830 (E-mail) ntana@kuhp.kyoto-u.ac.jp
    2)京都大学の相談窓口
    京都大学医学部附属病院 臨床研究相談窓口
(Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp
    3)各施設の相談窓口

トラスツズマブ デルクステカン治療による薬剤性肺障害に対する間質性肺疾患定量化AIを用いた胸部CT画像診断法の最適化に関する後ろ向き観察研究

  1. 研究の名称
    トラスツズマブ デルクステカン治療による薬剤性肺障害に対する間質性肺疾患定量化AIを用いた胸部CT画像診断法の最適化に関する後ろ向き観察研究
  2. 研究の目的
    トラスツズマブ デルクステカン (T-DXd)治療における重要な副作用として間質性肺疾患があります。間質性肺疾患の診療において、胸部コンピュータ断層撮影(CT)を用いた画像診断は欠かすことができません。一方、間質性肺疾患の胸部CT画像は多彩で複雑であり、視覚的評価だけでは限界があることから、AI (artificial intelligence)技術を応用した間質性肺疾患定量化ソフトの研究が行われています。本研究では、T-DXdの第I相試験または第II相試験に日本で参加された乳癌患者のCT画像と臨床データを用い、T-DXd治療に関連する間質性肺疾患に対する間質性肺疾患定量化AIソフトの応用可能性の検討また診断を最適化可能な新たな画像指標の探索を行います。なお、本研究で得られた成果は、間質性肺疾患定量化AIソフトの実用化のための製品開発および薬事申請での許認可取得等の商用利用には供しません。
  3. 研究機関の名称・研究責任者の職名・氏名
    研究代表者
    京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座 教授 平井 豊博
    共同研究者
    第一三共株式会社 オンコロジー・メディカルサイエンス部 部長 藤原 康策
    富士フイルム株式会社 メディカルシステム開発センター IT グループ 部長 桝本 潤
  4. 研究実施期間
    研究実施期間は、研究機関の長の実施許可日から2024年3月31日までです。
  5. 倫理審査
    本研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施するものです。また、第一三共株式会社、富士フイルム株式会社においても、各機関の倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けています。
  6. 試料・情報の利用目的・利用方法
    第一三共株式会社が治験DS8201-A-J101試験で2019年2月1日のカットオフ日まで、DS-8201-A-U201試験では2019年3月21日のカットオフ日までに、日本で参加された乳癌患者さんから匿名化し、収集した胸部CT画像を含む情報を京都大学に提供し、間質性肺疾患定量化AIソフトを用いた評価及び診断方法の最適化の検討を目的とした後向き観察研究に利用します。
  7. 提供を受ける試料・情報の項目
    CT画像およびその検査日、間質性肺疾患の診断結果およびその診断日、年齢、性別、ECOG PS、乳癌サブタイプ分類、薬物療法による治療歴、肺の既往歴、体温、SpO2
  8. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
    京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座 教授 平井 豊博
  9. 研究資金・利益相反
    本研究は、共同研究契約に基づき第一三共株式会社から研究資金の提供を受けています。
    第一三共株式会社から臨床研究データを無償にて提供しています。富士フイルム株式会社から試験機器として使用するAIQCTソフトウェアを無償にて提供しています。富士フイルム株式会社と他の共同研究を受け入れている研究者が参加しています。
    利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において両者の関係について審査されています。
  10. 他の研究対象者等の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内での研究に関する資料の入手・閲覧する方法
    本研究に関する試料(研究計画書など)の入手、閲覧を希望される場合は、下記の担当医師、大学もしくは第一三共株式会社の相談窓口にご相談ください。京都大学、第一三共株式会社及び富士フイルム株式会社の合議のもと、その都度、可否を判断いたします。原則として、京都大学、第一三共株式会社及び富士フイルム株式会社の共同研究契約に抵触せず、かつ本研究の進行の妨げにならない場合に限り、入手、閲覧が可能となります。
  11. 研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること及びその方法
    この情報公開文書を読み、データを本研究で利用することに現時点で同意いただけない場合、お手数ですが、下記の担当医師、京都大学又は第一三共株式会社の相談窓口に御連絡下さい。
    データの利用拒否の御連絡をいただいた場合は、可能な限り解析用データから削除します。ただし、ご連絡をいただいた時点ですでに統計学的解析に使用されて結果が得られていた場合には、そのデータに関しては使用される可能性があります。
  12. 研究対象者およびその関係者からの求めや相談等への対応方法
    本研究について何か分からないことや心配なことがございましたら、いつでも下記の相談窓口にご連絡ください。
    担当医師:京都大学医学部附属病院 呼吸器内科/リハビリテーション科 助教 田辺直也
    (Tel) 075-751-3830  (E-mail) ntana@kuhp.kyoto-u.ac.jp
    京都大学の相談窓口:京都大学医学研究科 総務企画課 研究推進掛
    (Tel)075-753-9301 (E-mail)060kensui@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp
    第一三共株式会社の相談窓口:
    第一三共株式会社 コーポレートコミュニケーション部
    (Tel) 03-6225-1111(代表)(平日午前9時~午後5時 土、日、祝日、所定の休日除く)
    (お問合せフォーム) https://www.daiichisankyo.co.jp/contact/form/index.php

研究題名”気管支拡張症合併難治性喘息の実態調査”

  1. 研究(調査)の目的と概略
    気管支喘息の合併病態として気管支拡張症や細気管支炎があり喘息の難治化に関わりますが、本邦におけるその頻度や治療実態は不明です。本検討では、気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の頻度や病型、病態について全国調査を行うことでその実態を明らかにし、適切な管理につなげることを目的とします。
  2. 研究(調査)の方法
    京都大学医学部附属病院呼吸器内科において下記期間に受診歴のある気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の患者さんについて、施設担当医師に後ろ向きのアンケート調査を行います。収集させていただく項目は、性別、診断時年齢、既往歴、併存症、喫煙歴、治療内容、症状などの因子、血液データ、呼気NO、呼吸機能、喀痰情報、画像所見等です。氏名や住所は収集いたしません。
  3. 研究(調査)の参加施設
    京都大学医学部附属病院および日本呼吸器学会認定・関連施設、日本アレルギー学会教育研修施設119施設
  4. 調査期間
    調査対象期間:2015年1月1日~2019年9月30日
    研究期間:2019年10月15日から2024年12月31日まで
  5. 調査の対象となる患者さん
    気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の患者さんです。中枢性の気管支拡張を呈するアレルギー性気管支肺真菌症の患者さんも含まれます。
  6. この研究への協力は任意です。
    本研究は、患者さんの過去の診療記録から得られた情報を使用する「観察研究」と呼ばれるもので、患者さんに新たな診療や検査、特別な費用の負担はありません。研究に用いる情報は、個人が特定できないように匿名化して管理し、個人情報を保護します。
    データの使用をお断りになる場合には直ちに情報の利用を停止いたしますので、遠慮なくお申し出ください。
  7. 研究資金源について
    本研究は委任経理金(環境呼吸器病学奨学金)、日本呼吸器学会学術部会研究費、2019年度ノバルティス研究助成により実施しています。本研究では関連企業等に対する経済的利益は生じません。また、研究協力者の皆様の個人情報、臨床情報、検査結果、質問調査の結果など、研究の結果から得られる個人個人のデータは ノバルティスファーマ社には共有されません。
  8. 利益相反について
    利益相反とは研究成果に影響する可能性のある利害関係をいいます。これには金銭及び人的、物理的関係を含みます。
    この研究は、日本呼吸器学会、ノバルティスファーマ社より本研究に関わる研究費の提供を受けて実施しますが、資金提供者の意向が研究に影響することはありません。また、利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査しています。
  9. 研究結果の公開について
    本研究に関する情報は、UMIN臨床試験登録システムに登録され、研究で得られた結果は査読付の学術誌および学術集会において公表されます。また、この研究に同意してくださった患者さんで、研究について詳細を知りたい場合は、他の被検者の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で、この研究に関する資料を入手・閲覧することができます。9.に記載の連絡先までお問い合わせ下さい。
  10. お問い合わせ先
    この研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得ています。

    研究責任者・情報管理責任者:小熊毅(京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)

    問い合わせ先:京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 小熊 毅
    京都大学医学部附属病院 相談支援センター
    電話 075-751-4748
    E-mail ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp


研究題名“喘息治療薬の効果を予測する因子についての研究”

現在呼吸器内科学講座では、2017年6月1日から2020年3月31日までの間に京都大学医学部附属病院を受診し、喘息に関する診療記録が存在する患者さんを対象として、新規に使用された薬剤と、その効果、呼吸機能・血液検査の関連などの調査を行っています。目的は各吸入薬剤の効きやすい症例の特徴を調べるためです。

具体的には、年齢・性別・疾患の重症度・罹病機関・症状・薬剤の使用開始日・継続期間・使用前後の呼吸機能・血液検査などの結果・薬剤の有効無効などの情報を電子カルテより収集し、統計的な処理を行うことで、どのような方に薬が効きやすいかを調べます。

この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認後研究機関の長の許可を得て行っており、結果は学会や学術誌に報告する予定です。データはすべて匿名化し、個人を特定できる情報の流出がないよう、細心の注意を払いますが、ご自身のデータ使用を希望されない方がおられましたら、ご連絡をいただければそのように対応いたします。なお、その場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。この研究につき、ご質問・ご要望などがございましたら下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい

責任者:京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 小熊 毅
問い合わせ先:小熊 毅
〒 606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院呼吸器内科
Tel: 075-751-3830
Fax: 075-751-4643

京都大学総務課研究推進掛
Tel: 075-751-4899
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp