喘息・慢性咳嗽


喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

主要な研究領域

  1. CT画像を用いた気道リモデリングの病態追求:病理学的検討の困難さ故に気道リモデリングの病態には不明の点が多い。我々は、教室で開発したCTによる気道 dimensionの自動解析システムを応用し中枢気道リモデリングの病態生理学的意義、治療などを追求してきた [Niimi et al. Clin Rev Allergy Immunol 2004]:1. 喘息患者では健常者に比し気道壁が厚く、肥厚の程度は重症度、罹病期間、気流閉塞と相関する [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2000] (図3):2. 気道壁厚は12週間の吸入ステロイド治療で部分的に減少するが、罹病期間が長いほど減少は乏しく治療後残存する壁肥厚も大きい [Niimi et al. Am J Med 2004] (図4)。同様の事象は長期(平均4.2年)の吸入ステロイド治療下でも認められ [Matsumoto et al. J Invest Allergol Clin Immunol, 2011]、早期治療介入の重要性が形態学的に示唆される。:3. 安定期患者の気道壁厚がメサコリン気道反応性と逆相関することから、気道壁肥厚がagonistによる平滑筋収縮に防御的に働く可能性がある [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2003]。その他、気道壁肥厚や呼吸機能と喀痰中の液性因子 [Matsumoto et al. Thorax 2005 (図5); Yamaguchi et al. J Invest Allergol Clin Immunol 2008]、TGF-B1遺伝子多型との関連 [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2008] (図6)、喘息における気管支拡張の存在と意義 [Takemura et al. Chest 2004] などについても報告している。最近ではmultidetector CTを用いて研究を発展させている。
  2. 末梢気道病変の臨床的意義と治療への包括的アプローチ:内径2 mm未満の末梢気道の評価は従来の方法では容易ではなく、喘息における末梢気道病変の意義は不明の点が多かった。我々は、高分解能CTの肺野濃度で評価した末梢気道病変の程度が喘息重症度や気道過敏性と相関することを示し、末梢気道が喘息の重要な治療ターゲットであることを明らかにした [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2006]。また簡便で低侵襲的に中枢気道と末梢気道を評価しうる新たな呼吸機能測定システムImpulse oscillation (IOS)を用いた研究で、喘息の重要なアウトカムである健康関連QOLや疾患コントロールに末梢気道病変が中枢気道と独立して寄与する可能性を示唆した [Takeda et al. Respiration 2010]。さらに、粒子径の大きな薬剤と比較して、微細粒子径吸入ステロイド薬が末梢気道を反映することが想定されるIOS指標を有意に改善させ、その改善が気道過敏性の改善をももたらすことや、治療前のIOSによる評価が治療薬の選択に有用である可能性も報告した [Yamaguchi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009]。最近は気道炎症の非侵襲的な指標である呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を複数フロー下で測定し、算出したNOの肺胞成分(CANO)を用いて、病理・生理学的変化の背景にある末梢気道炎症の評価を行っている[Kiyokawa et al. Allergol Int 2011] [Nakaji et al. Nitric Oxide 2011] [松本久子. 専門医のためのアレルギー学講座, アレルギー 2012](図2)。 CANO値がIOSの末梢気道指標と有意に相関することを示し[Matsumoto et al. Respiration, 2011]、治療下の喘息例においても、微細粒子径吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の追加投与により、残存する末梢気道炎症が減弱し、喘息コントロール改善につながる可能性を示した [Nakaji, Petrova et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013]。
  3. 喘息における気道・全身炎症の評価と多様性の追求:好酸球顆粒蛋白eosinophil cationic protein (ECP) の血清中濃度が気道の好酸球性炎症を間接的に反映することを示す一方で [Niimi et al. Clin Exp Allergy 1998]、血清ECP値が喘息の増悪時にも正常値を示す患者群の存在とその臨床像を 明らかにし、喘息の主要なエフェクター細胞として理解されている好酸球の関与に多様性が見られることを示唆した [Matsumoto et al. Clin Exp Allergy 2001]。また血清高感度CRP値が吸入ステロイド非使用患者で高値をとり、呼吸機能や喀痰好酸球数と相関することから、全身性炎症の存在とともに炎症マーカーとしての有用性を示唆した [Takemura et al. Eur Respir J 2006]。また近年非侵襲的な気道炎症の評価方法として使用されている誘発喀痰を用いて、気道分泌が気流閉塞や気道過敏性亢進に防御的に作用している可能性を示すと共に [Jinnai et al. Chest 2010]、好中球性気道炎症のマーカーの探索を行っている[Otsuka et al. Respiration 2012]。咳喘息において好中球が好酸球と同時に増加することでおそらくは相互作用により難治化をもたらす可能性 [Matsuoka et al. Chest 2010] (図7) を明らかにし、また誘発喀痰検査が不成功に終わる患者の臨床像を解析して検査の限界や結果解釈の問題点を示した [Matsuoka et al. J Allergy Clin Immunol 2008]。
  4. 喘息の難治化に関与する諸因子:抗原への感作は喘息の重要な発症因子であるが、一般的な抗原への感作は重症難治化との関連が乏しいとされる従来よりの定説を確認する一方で [Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、白癬の主要な原因真菌であるトリコフィトンへの感作が喘息の重症度と関連することを明らかにし、本真菌が重症難治化をもたらす抗原である可能性を示唆した [Matsuoka et al. Chest 2009]。また黄砂への曝露が喘息を悪化させることは経験的に知られてきたが、定量評価した黄砂の飛散量が小児喘息の増悪入院頻度と有意に相関することを報告した [Kanatani et al. Am J Respir Crit Care Med, 2010]。一般に血清IgEは加齢と共に低下するが、高齢の喫煙喘息例、特にアトピー素因のある例では血清IgE、末梢血好酸球が高く維持されることを初めて明らかにした[Nagasaki et al. Clin Exp Allergy, 2013](図8)。従来喫煙は、好中球性炎症を惹起して喘息を重症化させると認識されてきたが、アトピー素因のある例では好酸球性炎症も十分意識した管理が必要である[Nagasaki, Matsumoto. Allergol Int, in press]。
  5. 喘息の合併症:好酸球性副鼻腔炎はマクロライドに抵抗性の慢性副鼻腔炎で、喘息に合併する慢性副鼻腔炎の約70%を占め、早期から嗅覚障害をきたす。難聴をきたしうる好酸球性中耳炎を約30%に合併し、著しくQOLを障害する。ステロイド薬のみが有効とされていたが、重症喘息合併好酸球性副鼻腔炎において、抗IgE抗体治療により副鼻腔炎、喘息の自他覚所見が平行して改善することを報告し、新規治療法の可能性を提案した[Tajiri et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013] 。
  6. 気道平滑筋の基礎的研究:気道平滑筋の過剰な収縮は、喘息の基本病態の1つである。喘息における気道平滑筋の肥大増生 (リモデリング)、収縮亢進の機序を明らかにする目的でヒト気道平滑筋細胞を用いて検討を進めている。ADAM33、MMP、TIMP、Toll- like receptorなどの分子、サイトカイン・増殖因子に着目し、real-time PCR, Western-blot, FACS, zymography, gel contraction assay (図9), laser capture microdissection (図10), migration/proliferation assay (図11), immunostaining, siRNA, promoter assayなどの手技を用いて解析している [Matsumoto et al. Thorax 2007; Borger et al. J Allergy Clin Immunol 2007; Ito et al. J Allergy Clin Immunol 2007, Clin Exp Allergy 2009]。また気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationと喘息病態との関係について兵庫医科大学生理学教室と共同研究を行い、IL-13による前処理下ではロイコトリエンD4刺激による気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationの頻度が増加することを示した[Matsumoto, Hirata, et al. Cytokine 2012](図12)。
  7. 慢性咳嗽の臨床病理学的研究:慢性咳嗽の主要な原因疾患である咳喘息の気管支粘膜生検組織を検討し、好酸球の病態への関与 [Niimi et al. Eur Respir J 1998] や慢性炎症の結果として生じる気道リモデリング (基底膜肥厚) の存在 [Niimi et al. Lancet 2000] (図13) を明らかにした。CT上の気道壁肥厚の存在も示した[Matsumoto et al. Chest 2007](図14)。さらに咳喘息の予後 (喘息への移行) に吸入ステロイド治療の有無や抗原感作が関与する可能性[Matsumoto et al. J Asthma 2006; Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、ロイコトリエン受容体拮抗薬の咳喘息に対する有効性も報告した[Takemura et al.Respiration2012]。種々の原因による慢性咳嗽の気道病理像の解析や生理学的検討、咳発現メカニズムの解明にも取り組んでいる[Niimi et al. Thorax 2004, Pulm Pharmacol Ther 2004, J Allergy Clin Immunol 2005; Groneberg et al. Am J Respir Crit Care Med 2004; Matsumoto et al. Cough 2009; Takemura et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] [Otsuka et al. Respiration 2011]。咳嗽を呈する炎症性気道疾患群の概念整理の試み [Gibson et al. Thorax 2002; Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] や、グローバルな見地に立った慢性咳嗽の疫学論 を提唱する [Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2007; Matsumoto et al. Cough 2007]一方で、咳反射の感染防御機構としての重要性を反復性肺炎患者における検討から示唆した [Niimi et al. Thorax 2003]。気道過敏性検査やFeNO測定は慢性・遷延性咳嗽の診断に有用なツールであるが、実地臨床では検査困難なことが多い。咳嗽関連誘発因子の問診票(表1)を作成し、問診から得られる咳嗽誘発因子の一部、冷気・ストレス・タバコの煙などが疾患や病態と関係することを明らかにした[Matsumoto et al. Allergol Int 2012](表2)。
  8. 動物モデルの炎症病態解明:職業関連喘息の原因物質toluene diisocyanate (TDI) 反復曝露によるモルモット遅発型喘息モデル作成に成功し、遅発型喘息への好酸球の関与を明らかにした [Niimi et al. J Allergy Clin Immunol 1996]。同様の曝露にて過敏性肺炎類似の肺病変も惹起し得た [Yamada et al. Eur Respir J 1995]。ラット卵白アルブミン喘息モデルにおける気道炎症、リモデリングの新薬治療も報告した [Leung et al. J Pharmacol Exp Ther 2006]。最近ではモルモットやマウスモデルを用いて咳受容体感受性亢進の病態解明や治療研究にも着手している [Leung et al. Cough 2007] (図15)。

喘息・慢性咳嗽の領域は、診療に高い専門性が要求され、また数多くの研究課題も残している一方で、呼吸器疾患の中でも最もcommonな疾患群であり、外来診療が主体となるプライマリケア的な側面も大きいという特徴があります。診断や治療が上手くいって患者さんに喜んでもらえるという医師としての幸せを日々感じつつ、多様な病態を示す患者さんの診療に常に考えながら取り組むことで重要な研究テーマに巡り会い、それを解明し実地臨床に還元していくという臨床研究者として何物にも代え難い醍醐味も味わえます。是非この領域に関心を持っていただき、ともに研究に取り組みましょう。熱意ある先生方を心より歓迎致します。


「気管支拡張症合併難治性喘息の実態調査」について

  1. 研究(調査)の目的と概略
    気管支喘息の合併病態として気管支拡張症や細気管支炎があり喘息の難治化に関わりますが、本邦におけるその頻度や治療実態は不明です。本検討では、気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の頻度や病型、病態について全国調査を行うことでその実態を明らかにし、適切な管理につなげることを目的とします。
  2. 研究(調査)の方法
    下記医療施設において下記期間に受診歴のある気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息患者について、施設担当医師に後ろ向きのアンケート調査を行います。収集させていただく項目は、性別、診断時年齢、既往歴、併存症、喫煙歴、治療内容、症状などの因子、血液データ、呼気NO、呼吸機能、喀痰情報、画像所見等です。氏名や住所は収集いたしません。診療を受けた施設で匿名化された後、情報は京都大学医学部附属病院の下記診療科へ提供されます。
  3. 研究(調査)の参加施設
    日本呼吸器学会認定・関連施設、日本アレルギー学会教育研修施設
    調査期間
    調査対象期間:2015 年1 月1 日~2019 年9 月30 日
    研究期間:2024 年12 月31 日まで
  4. 調査の対象となる患者さん
    気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の患者さんです。中枢性の気管支拡張を呈するアレルギー性気管支肺真菌症の患者さんも含まれます。
  5. この研究への協力は任意です。
    本研究は、患者さんの過去の診療記録から得られた情報を使用する「観察研究」と呼ばれるもので、患者さんに新たな診療や検査、特別な費用の負担はありません。研究に用いる情報は、個人が特定できないように匿名化して管理し、個人情報を保護します。
    データの使用をお断りになる場合には直ちに情報の利用を停止いたしますので、遠慮なくお申し出ください。
  6. 研究資金源について
    本研究は日本呼吸器学会学術部会研究費、ノバルティスファーマ社および運営費交付金により実施しています。本研究では関連企業等に対する経済的利益は生じません。また、研究協力者の皆様の個人情報、臨床情報、検査結果、質問調査の結果など、研究の結果から得られる個人個人のデータはノバルティスファーマ社には共有されません。
  7. 利益相反について
    利益相反とは研究成果に影響する可能性のある利害関係をいいます。これには金銭及び人的、物理的関係を含みます。
    この研究は、日本呼吸器学会、ノバルティスファーマ社より本研究に関わる研究費の提供を受けて実施しますが、資金提供者の意向が研究に影響することはありません。また、利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。
  8. 研究結果の公開について
    本研究に関する情報は、UMIN 臨床試験登録システムに登録され、研究で得られた結果は査読付の学術誌および学術集会において公表されます。また、この研究に同意してくださった患者さんで、研究について詳細を知りたい場合は、他の被検者の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で、この研究に関する資料を入手・閲覧することができます。9.に記載の連絡先までお問い合わせ下さい。
  9. お問い合わせ先
    この研究は、京都大学大学院医学研究科 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得ています。

    研究責任者:松本久子(京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)
    問い合わせ先:京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 松本久子
    京都大学医学部附属病院 相談支援センター
    電話 075-751-4748
    E-mail ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp


京都大学医学部附属病院呼吸器内科で喘息・慢性咳嗽外来を受診された患者さんへ

京都大学医学部附属病院呼吸器内科、喘息・慢性咳嗽グループにて下記の研究を行っております。

研究題名 “喘息における喫煙、感作抗原と喘息病態との関係”
研究題名「スエヒロタケによるアレルギー性気管支肺真菌症症例の後ろ向き検討」

現在呼吸器内科学講座では、2018年8月から2019年7月までの間に京都大学医学部附属病院を受診し、スエヒロタケによるアレルギー性気管支肺真菌症に関する診療記録が存在する患者さんを対象として、治療反応性や測定された呼気NO、肺機能検査、喀痰検査、血液検査、画像検査などについて調査を行っています。目的は稀な病気であるスエヒロタケによるアレルギー性気管支肺真菌症の特徴を明らかにすることです。研究実施期間は倫理審査承認日から2020年12月31日です。

この調査は、東海大学医学部内科学系呼吸器内科学が中心となって行っております。当講座においても京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得て参加しており、発症年齢、症状、検査結果、治療内容などの診療情報を東海大学に提供しております。データはすべて匿名化し、個人を特定できる情報の流出がないよう、細心の注意を払いますが、ご自身のデータ使用を希望されない方がおられましたら、2019年8月16日までにご連絡をいただければそのように対応いたします。なお、その場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。また、研究計画書および研究の方法に関する資料は入手閲覧可能です。ただし他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護などに支障がない範囲内に限られます。研究結果は学会や学術誌に論文として公開される予定です。この研究につき、お問い合わせ・ご質問・ご要望などがございましたら下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

研究責任者:東海大学医学部内科学系 呼吸器内科学 教授 浅野浩一郎
当院の責任者(個人情報管理責任者)
:京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 准教授 松本久子

問い合わせ先:
1)京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 松本久子
2)京都大学医学部附属病院 相談支援センター

1) 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院呼吸器内科
Tel 075-751-3830
Fax 075-751-4643
2) TEL: 075-751-4748
E-mail:ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究題名“喘息治療薬の効果を予測する因子についての研究”

現在呼吸器内科学講座では、2017年6月1日から2020年3月31日までの間に京都大学医学部附属病院を受診し、喘息に関する診療記録が存在する患者さんを対象として、新規に使用された薬剤と、その効果、呼吸機能・血液検査の関連などの調査を行っています。目的は各吸入薬剤の効きやすい症例の特徴を調べるためです。

具体的には、年齢・性別・疾患の重症度・罹病機関・症状・薬剤の使用開始日・継続期間・使用前後の呼吸機能・血液検査などの結果・薬剤の有効無効などの情報を電子カルテより収集し、統計的な処理を行うことで、どのような方に薬が効きやすいかを調べます。

この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認後研究機関の長の許可を得て行っており、結果は学会や学術誌に報告する予定です。データはすべて匿名化し、個人を特定できる情報の流出がないよう、細心の注意を払いますが、ご自身のデータ使用を希望されない方がおられましたら、ご連絡をいただければそのように対応いたします。なお、その場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。この研究につき、ご質問・ご要望などがございましたら下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい

責任者:京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 小熊 毅
問い合わせ先:小熊 毅
〒 606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院呼吸器内科
Tel: 075-751-3830
Fax: 075-751-4643

京都大学総務課研究推進掛
Tel: 075-751-4899
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究協力のお願い

  1. 研究題名“気管支喘息患者における喀痰AQP3の役割の解明”
  2. 研究目的
    呼吸器内科学講座では、2009年7月13日から2014年9月16日までの間に京都大学医学部附属病院を受診し、”気管支喘息におけるオマリズマブの有効性に関する包括的検討(C304)””気管支喘息および慢性咳嗽における気道過分泌の成因と臨床的意義に関する研究(C436)”(先行研究)に参加された喘息患者さん、及び2011年4月1日から2016年3月31日までに当科を初診された未治療の喘息患者さんを対象として、先行研究登録時または初診時の喀痰上清中のアクアポリン3の濃度と喘息の病態との関係について明らかにすることを目的としています。アクアポリンは水分子を特異的に通す膜蛋白質ですが、喘息におけるアトピー性2型炎症にも重要である可能性が示されており、新たな喘息治療薬の標的分子となる可能性が期待されています。
  3. 研究期間は倫理委員会承認日から5年間です。
  4. 本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院の医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けています。
  5. 本研究機関の名称・研究責任者の氏名:京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
    松本久子
  6. 情報の利用目的と方法:先行研究登録時の喀痰中のアクアポリン3濃度と喀痰・血液中の好酸球数や喘息治療濃度、呼吸機能などとの関係を解析します。これに関わる下記カルテ記載事項(7)をすべて匿名化した上で解析します。
  7. 利用する情報の項目: 登録時と登録から1年後の吸入ステロイド薬の量や併用薬数、生物製剤の使用状況など、登録時呼吸機能、血液・喀痰の好酸球分画など
  8. 共同研究機関の名称及び研究責任者の氏名:該当せず
  9. 本研究の情報の管理についての責任者:京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
    松本久子
  10. データはすべて匿名化し、個人を特定できる情報の流出がないよう、細心の注意を払いますが、ご自身のデータ使用を希望されない方がおられましたら、2018年3月31日までにご連絡頂ければそのように対応いたします。なおその場合におきましても患者さんが診療上不利益を被ることは一切ありません。
  11. 研究に関する資料の入手・閲覧は可能です。ただし他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲に限られます。ご希望の場合、またこの研究につき、御質問などがございましたら下記までご連絡ください。
  12. 問い合わせ先:
    1) 京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学講座 松本久子
    2) 京都大学医学部附属病院 総務課 研究推進掛
    1) 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部付属病院呼吸器内科Tel 075-751-3830
    2) Tel 075-751-4899

研究協力のお願い

アレルギー性気管支肺真菌症 第2回全国実態調査

現在呼吸器内科では、”アレルギー性気管支肺真菌症 第2回全国実態調査“に協力しています。この臨床研究は「京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会」の審査を受け、研究機関の長の許可を得て実施しています。当該診療情報等の使用については、研究計画書に従って匿名化処理が行われており、研究対象者の氏名や住所等が特定できないよう安全管理措置を講じた取り扱いを厳守しています。

本研究に関する詳しい情報をご希望でしたら問い合わせ担当者まで直接ご連絡ください。また、本研究の成果は学会や論文等で公表される可能性がありますが、個人が特定される情報は一切公開しません。

本研究の研究対象者に該当すると思われる方又はその代理人の方の中で診療情報等が使用されることについてご了承頂けない場合は担当者にご連絡ください。なお、その申出は研究成果の公表前までの受付となりますのでご了承願います。

【研究課題名】

アレルギー性気管支肺真菌症 第2回全国実態調査

【研究の目的】

この研究は、厚生労働科学研究費補助金に基づく難治性疾患等克服研究事業の一環として、全国のアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)および真菌(アスペルギルス)感作喘息の患者さんのデータを集計させていただくものです。本邦の実情に調査することを目的としています。

【研究の対象となる方】

2014年1月1日 から 2019年12月31日 までの間に、日本呼吸器学会1あるいは日本アレルギー学会2の認定施設となっている医療機関で調査協力に賛同された施設でを受診したABPMおよび真菌(アスペルギルス)感作喘息の患者さんを対象としています。

1. http://www.jrs.or.jp/home/
2. http://www.jsaweb.jp/

【利用期間(研究実施期間)】

臨床研究審査委員会承認日 から 2021年12月31日 まで

【研究に用いる診療情報等の項目】

診療記録から、症状や経過、治療内容、血液・呼吸機能検査や胸部の画像検査(X線・CT)のデータを収集します。

【情報の提供先・提供方法】

本学で匿名化した上記の診療情報等を研究代表機関である東海大学医学部附属病院呼吸器内科に郵送、電子的配信にて提供します。

【研究資金・利益相反】

この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の研究費(本学では必要時運営費交付金を使用します)より実施します。利益相反については、京都大学利益相反ポリシー、京都大学利益相反マネジメント規定に従い、京都大学臨床研究利益相反審査委員会において適切に審査・管理しています。

【研究代表機関及び研究代表者】

・研究代表機関:東海大学医学部付属病院
・研究代表者:呼吸器内科 教授 浅野 浩一郎

【研究分担施設及び各施設の研究責任者】
研究分担施設 研究責任者
京都大学医学部附属病院 松本 久子
北海道大学病院 木村 孔一
慶應義塾大学病院 正木 克宜
国立病院機構相模原病院 渡井 健太郎
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 石黒 卓
藤田医科大学 ばんたね病院 桑原 和伸
国立病院機構東京病院 鈴木 純子
他計160施設
【問い合わせ先】

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 松本久子
京都大学医学部附属病院 相談支援センター ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp
電話 075-751-4748