研究 肺骨化症症例に関する全国疫学調査(二次調査)の実施について

1. 本研究の目的および方法

びまん性肺骨化症(diffuse pulmonary ossification: DPO)は肺組織に全体的に骨組織からなる病巣を形成する稀な病気です。未だ教科書や呼吸器専門医テキストにも記載がありません。亡くなられた後の病理解剖でみられることがありましたが、最近では画像診断の進歩により胸部CTで発見されるようになっています。しかし、どのような病気であるか十分には分かっていません。
そこで、今回、胸部CTや肺生検あるいは病理解剖によって肺骨化症と診断された方の病歴や検査データ、画像データを収集して、肺骨化症の病態を検討したいと考えています。
研究全体の実施期間は倫理委員会承認日から2021年3月までです。予定症例数は全国で50例、当院で2
例です。京都大学医学部附属病院において、2008年10月以降2018年9月末までの10年間にびまん性肺骨化症と診断された患者さんを対象とします。本研究は、当院の倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施しています。

2. 研究に用いる試料・情報の種類および保管方法について

研究のために収集する情報は病歴、診断方法、家族歴、血液検査・尿検査・呼吸機能検査のデータ、胸部X線写真、胸部CT、肺病理組織標本等ですが、これらは既に通常の診療内で実施されているデータを利用するため、新たに実施することはありません。情報収集にあたっては、患者さん個人を特定できる情報(名前、生年月日、住所、電話番号、ID番号等)はすべて提供時に削除され、個人が明らかになることはありません。
これらの情報は徳島大学病院で収集し、徳島大学大学院医歯薬学研究部 呼吸器・膠原病内科分野 教授 西岡安彦が責任者として、同医局の鍵のかかる棚および外部ネットワークとの接続のない本研究用パソコンにて、研究終了後まで保管します。

3. 本院以外の研究機関への試料・情報の提供

症例調査票は郵送およびメールで各施設に送付され、各施設で上記情報を記載した調査票を作成後は、郵送あるいはメールにて徳島大学病院に送付されます。胸部 CT と胸部X線写真は、各施設で、DICOM データとして症例番号を記載した CD-ROM 等に保管し、徳島大学病院に送付されますが、送付された CD-ROM 等の返却は行われません。肺病理組織標本は、各施設がプレパラートやCD-ROMに保管した画像データ等を徳島大学病院に送付しますが、その後、徳島大学病院でバーチャルスライド化したものを保管管理することとし、肺病理組織標本は各施設に返却します。京都大学ではプレパラートの送付は行わず、肺病理組織標本はCD-ROMに保管した画像データとして送付します。いずれの場合も者さん個人を特定できる情報(名前、生年月日、住所、電話番号、ID番号等)は削除されています。

4. 研究組織

本研究参加施設は32施設あり、参加施設と研究担当者を以下にお示しします。

徳島大学病院           呼吸器・膠原病内科      西岡 安彦
秋田大学             呼吸器内科          佐野 正明
大分大学医学部附属病院      呼吸器内科          山木 まり
大阪府済生会中津病院       呼吸器内科          長谷川 吉則
岡山ろうさい病院         内科             岸本 卓巳
神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科          馬場 智尚
川崎市立井田病院         呼吸器内科          西尾 和三
九州大学胸部疾患研究施設     呼吸器内科          濵田 直樹
京都大学附属病院         呼吸器内科          半田 知宏
近畿中央胸部疾患センター     呼吸器内科          井上 義一
久留米大学            呼吸器内科          岡元 昌樹/星野 友昭
群馬大学             呼吸器・アレルギー内科    久田 剛志
小倉医療センター         呼吸器内科          日高 孝子 
済生会熊本病院          呼吸器内科          大橋 沙羅
自治医科大学           呼吸器内科          坂東政司
島根県立中央病院         呼吸器科           久良木 隆繁
順天堂大学            呼吸器内科          加藤 元康
市立豊中病院           呼吸器内科          阿部 欣也
聖マリアンナ医科大学       呼吸器内科          峯下 昌道
草加市立病院           呼吸器内科          塚田 義一
高松市民病院           呼吸器科           河野 洋二
宝塚第一病院           呼吸器科           森本 忠昭
東京都保健医療公社荏原病院    呼吸器内科          奥田 健太郎
東邦大学医学部内科学講座     呼吸器内科学分野       坂本 晋
刀根山病院            呼吸器内科          森 雅秀
橋本市民病院           呼吸器内科          藤田 悦生
浜松医科大            第2内科           中村 祐太郎
浜松医療センター         呼吸器内科          笠松 紀雄
兵庫県立尼崎総合医療センター   呼吸器内科          平位 知之
福井大学医学部附属病院      呼吸器内科          森川 美羽
藤枝市立総合病院         呼吸器内科          小清水 直樹
防衛医科大学校          内科学講座(感染症・呼吸器) 藤倉 雄二

5. 研究結果の公表について

本研究の結果は学会や雑誌等で公表することがありますが、公表に際しては特定の研究対象者を識別できないように措置を行った上で取り扱います。

6. 研究資金および利益相反管理について

本研究は,厚生労働科学研究費補助金を使用して実施されます。ただし、京都大学では学内の運営費交付金を使用します。本研究の利害関係については、臨床研究利益相反審査委員会の審査を受け、承認を得ております。本研究は、特定の企業からの資金提供を受けていません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理しています。

7. 本研究への参加を拒否する場合

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

8. 研究責任者および連絡(問合せ)先

この検査・治療について何か分からないことや心配なこと、同意の撤回を希望されることがありましたら、いつでも担当医師にご相談下さい。
京都大学医学部附属病院 呼吸不全先進医療講座 半田知宏 ( tel: 075-366-7689 (代))
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(Tel)075-751-4748 E-mail: ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

本研究への参加に同意しない場合は、連絡先までご連絡下さい。

研究課題「自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断キットの有用性の検討」

「研究目的」:自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断キットの有用性を検証する事。本研究により自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断の確かさが明らかになれば、これまで肺生検や気管支肺胞洗浄法が必須とされていた同症の診断を肺 HRCT と血清診断のみで行えることとなります。
「対象」:過去に「自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断キットの有用性に関する検討」に参加し、血清を提供いただいた患者さん
「研究期間」:2018年承認日~2020 年 3 月 31 日
「研究概要」:これまでに、「自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断キットの有用性に関する検討」において京都大学呼吸器内科通院中の患者さんより血清採血のご協力を頂いておりますが、この度研究内容に変更がありましたので通知させていただきます。新潟大学にて改訂となった研究計画では、研究を第1期と第2期の2期にわけ、前者で血清抗体が陽性か陰性かの境目の値を決め、後者で自己免疫性肺胞蛋白症である確率とそれ以外の疾患の確率を決めます。

1) 京都大学病院において選択基準に合致した患者さん、健康な人について研究事業として倫理委員会で承認を受けた内容の文書を外部へ公表します。

2) 検体は個人情報がわからないように番号が付され、保存され、対応表は主任研究者が管理します。

3) 上記により個人情報がわからないように番号化された血清検体の測定は、医学生 物学研究所 研究開発本部診断薬開発ユニットにて測定されます。

4)第1期として、患者さん 79 例、健康な人 60 例の検体測定結果より、境目の値 と参考基準値感度、特異度を決定し、従来方法により測定したデータとの相関性を調べます。従来方法による測定は、新潟大学医歯学総合病院臨床研究推進センターで行います。 第2期の研究として、個人情報がわからないように番号化された855検体の測定データは、新潟大学医歯学総合病院臨床研究推進センター品質管理部門で解析します。第1期で求めた境目の値により、各検体を陽性と陰性に分類し、2 ①~④の各群の陽性適 中率と陰性適中率を算出します。これまでに京都大学病院にて提供いただいた血清は、第1期の研究に用いられます。
情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
株)医学生物学研究所に検体を提供し、同社と共同開発している血清診断キットを用いて境目の値、陽性適中率、陰性適中率を決定し、同キットの市販化を実現します。患者さんの情報は切り離し、新潟大学臨床研究推進センターが、医学生物学研究所より数値データを入手して、解析します。

研究の名称及び当該研究の実施について 研究機関の長の許可について

「研究の名称」:「自己免疫性肺胞蛋白症の血清診断キットの有用性に関する検討」

この研究は、京都大学医の倫理審査委員会の承認を得て、研究機関の長である京都大学医学部附属病院長の許可を受けておこなうものです。


臨床研究課題名:膠原病を除く慢性線維化性間質性肺炎のCT画像診断における人工知能の有用性に関する多施設共同研究

我々のグループでは、慢性間質性肺炎の進行に関連する要因について、他の医療機関と協力して研究を進めています。
以下の文をお読みになり研究の趣旨に賛同いただける場合、ご協力願えますと幸いです。

1. この研究を計画した背景

間質性肺炎とは肺が固くなり小さくなり、咳や息切れなどを起こす病気です。間質性肺炎には種類がたくさんあって、それによって治療薬の選択が変わります。間質性肺炎の種類を診断するには、CTという画像検査が重要ですが、現在の医学では全身麻酔の手術で肺の一部を3cmくらいの大きさでとらないと診断できません。
人工知能とは、人工的にコンピュータ上で人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の技術を指します。近年、人工的な知能の実現のため、「ニューラルネットワーク」という方法で深層学習(ディープラーニング)と呼ばれる機械学習が発達してきています。
この研究は、間質性肺炎の方のCT画像と確定診断名を結び付けて人工知能に学習させ、診断に外科的肺生検を行わないですむような方を増やすための研究です。

2. この研究の目的

この研究は、手術をおこなって診断がついた方のCT画像を人工知能に学習させ、医師がCT画像をみて診断した疾患と、どの程度一致するかを確かめることが目的です。人工知能が医師の判断を上回った場合、診断に外科的肺生検を行わないですむような方を増え社会に貢献したことになります。

3. 共同研究機関名・研究責任者名

<研究責任者>
名古屋市立大病院 呼吸器・アレルギー・リウマチ内科
大久保仁嗣

<共同研究機関および各施設研究責任者>
1)名古屋大学 情報科学研究科 メディア科学専攻 森研究室
森 健策
2)京都大学医学部付属病院 呼吸器内科
半田 知宏
3)国立病院 近畿中央胸部疾患センター 呼吸器内科
井上 義一
4)東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科
本間 栄
5)産業医科大学病院 呼吸器内科
小田 桂士
6)NHO姫路医療センター 呼吸器内科
河村 哲治
7)三重中央医療センター 呼吸器内科
井端 英憲
8) 三重大学 呼吸器内科
小林 哲
9)東北大学病院 呼吸器内科
小林 誠
10)茨木東病院 呼吸器内科
三浦 由記子

<京都大学における研究組織> 
実施責任者:半田 知宏    呼吸器内科 助教
分担研究者:平井 豊博    呼吸器内科 教授
  池添 浩平    呼吸器内科 医員

4. この研究の方法

この研究では、まず300人の間質性肺炎の方のCT画像と確定診断名を結び付けて人工知能に学習させます。そして間質性肺炎を専門とする医師と、間質性肺炎を専門としない一般の医師と、できあがった人工知能の診断率がどの程度かを数学を使って解析します。

5. 資料の入手・閲覧

本研究で使用する診断名、診断日、年齢、性別、身長、体重、肺機能検査、喫煙歴など臨床情報は各施設の診療録(カルテ)から入手します。胸部CTの画像データも施設で保存されているデータを利用します。これらのデータは各施設で匿名化を行い、個人情報が漏れないようにします。その後、各参加施設のデータを名古屋市立大学呼吸器・免疫アレルギー内科に郵送します。人工知能に学習させるデータは外付けハードディスク、USBメモリに移し、名古屋大学情報科学研究科 メディア科学専攻 森研究室に郵送します。

6. 研究期間

本研究の研究期間は、京都大学医の倫理委員会の承認日から2019年6月までです。

7. この研究に参加しなくても不利益を受けることはありません。

この臨床研究への参加はあなたの自由意思によるものです。この臨床研究に同意された後であっても、今回追加された解析にあなたの保存されたCT画像を使用することについて、いつでも参加を取りやめることができます。途中で参加をとりやめる場合でも、今後の治療で決して不利益を受けることはありません。

8. あなたのプライバシーに係わる内容は保護されます。

試験を通じて得られたあなたに係わる記録が学術雑誌や学会で発表されることがあります。しかしCT画像は匿名化した番号で管理されるため、得られたデータが報告書などであなたのデータであると特定されることはありませんので、あなたのプライバシーに係わる情報(住所・氏名・電話番号など)は保護されます。

9. 得られた医学情報の権利および利益相反について

本研究により予想される利害の衝突はないと考えています。本研究に関わる研究者は「厚生労働科学研究における利益相反(Conflict of Interest:COI)の管理に関する指針」を遵守し、各施設の規定に従ってCOIを管理しています。

10. この研究は必要な手続きを経て実施しています。

この研究は、公立大学法人 名古屋市立大学大学院 医学研究科長および名古屋市立大学病院長が設置する医学研究倫理審査委員会(所在地:名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1)および京都大学医学部附属病院 医の倫理委員会(所在地:京都市左京区聖護院河原町54)において医学、歯学、薬学その他の医療又は臨床試験に関する専門家や専門以外の方々により倫理性や科学性が十分であるかどうかの審査を受け、実施することが承認されています。またこの委員会では、この試験が適正に実施されているか継続して審査を行います。

11. 本研究について詳しい情報が欲しい場合の連絡先

この臨床研究について知りたいことや、ご心配なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。

病院相談窓口:
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 半田知宏 
電話:075-751-3830 (代)、FAX 075-751-4643 (代)
総務課 研究推進掛 
電話:075-751-4899 E-mail: trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp


間質性肺炎、サルコイドーシスの診療によって得られた知見は学会や論文で発表し、これらの病態の重要性を広く啓蒙している。間質性肺炎においては、血液凝 固異常とともに血小板機能にも注目し、循環器内科との共同研究で血小板凝集能と臨床所見との関連についての研究を行っている。

また、臨床研究にも重点をおき、特発性肺線維症において肺高血圧症の存在や拡散能の低下が生命予後の悪化に関連することを報告した(図1)。

サルコイドーシスに関しては、これまで2000例近くに及ぶ診療実績を背景に、疾患の収束と進展に関する疫学的、免疫学的研究実績を蓄積してきた。

サルコイドーシスの病態においては病変局所でのリンパ球の活性化が重要であることが明らかとなっている。当科ではリンパ球の活性化に関与する共刺激分子に注目し、遺伝子多型や気管支肺胞洗浄液の表面マーカーについての研究を行っている。

また、気道疾患に関して当科で従来行ってきたオリジナルソフトによるCTの画像解析を間質性肺疾患にも応用し、ヒストグラム解析(図2)のパラメーターの臨床的意義、予後との関連について検討を行っているところである。

これらの臨床、研究活動が評価され、2006年度千葉保之・本間日臣記念賞、2007年度京都府医師会勤務医部会学術奨励賞を受賞した。